この記事は2022年6月8日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=AREE/stock.adobe.com)

2022年6月8日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

足元では円が速いペースで売られている中、2022年6月7日(火)黒田日銀総裁が「強力な金融緩和を粘り強く続ける」とこれまで通りの発言を繰り返したことが円売りに拍車をかけ、米ドル/円は133円台まで上昇した。

来週にかけて発表される主要国の政策金利ラッシュでは、多くの国で金融引締め方向のアナウンスが予定されている。

主要国の中ですでに利上げに舵を取っているFRB、RBAは0.5%の利上げ、比較的ハト派な政策を続けてきたECBも7月に利上げが決定される見通しだ。

日銀の金融政策だけが真逆を向いているだけに、積極的な円売りは正当化されやすいだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は5月末から短期間に約6円も上昇しており、割高感は拭えないが、黒田日銀総裁が、頑なに金融緩和にこだわるのであれば2022年6月17日(金)の日銀政策決定会合まではこの材料を追いかける形になる。

もちろんリバウンド狙いの売りに魅力もあり、オペレーションとしてできなくはないが、テクニカル的な反発に留まる可能性が高く、トレードは短期にとどめておきたい。根っこは日銀の金融政策にあり、口先介入や、リスクオフの円高局面はやはり買い場だろう。

また、2022年6月9日(木)にはECBの政策金利発表が控えている。今月は政策金利据え置きが予想されているが、2022年7月には11年ぶりの利上げが予想されているため、その後の利上げペースについてのアナウンスは注目度が高い。

ECBは主要国の中で比較的ハト派と考えられていたため、金融政策の転換点となればユーロ買いのチャンスがあるかもしれない。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。