2022年6月15日、FRB(米連邦準備理事会)は同日のFOMC(米連邦公開市場委員会)において0.75%の利上げを決めた。1回の利上げ幅としては1994年11月以来、27年7カ月ぶりの大きさだった。FRBは今年3月に政策金利の引き上げを開始していたが、高インフレを抑え込むことができず、今回の大幅な利上げに踏み切ることとなった。その結果、米国の政策金利は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な感染拡大)が発生する前の水準である1.50%に回帰した。米国株の主要指数は連日のように年初来の安値を更新し、機関投資家の多くが運用の参考指標とするS&P 500の年初来下落率は20%を超えることとなった。

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一方、FOMCと1日違いで開催した日銀の金融政策決定会合では、金融緩和策の現状維持が決定された。その影響から外国為替市場では「日米金利差拡大」を囃して1ドル135円台まで円安が進む場面が見られた。また、日本株市場も米国株の下落を受けて冴えない展開を余儀なくされている。

このような状況下、プライベートバンカーのようにお客様の大切な資金をお預かりしている人たちは、苦しい境遇にあると推察される。ファンドマネージャーなども胃薬が手放せない日々が続くものだが、プライベートバンカーのようにお客様と直に接する人たちは、それこそ大きな石を胃袋に詰め込んだような暗澹(あんたん)たる気持ちでいることだろう。