マツダ・ロードスターを愛する理由
歴代すべてが全長4m以下、そのハンドリングはまさに絶妙!
世界第1位と第2位の自動車マーケットを、中国とアメリカという「大柄なモデルを好む」地域が占めるようになって以来、ますます勢いが止まらないのが、ボディサイズの大型化と、車両重量の増加である。SUVの流行や安全基準の強化などが、その流れに拍車をかけている。
コンパクトで軽量なモデルを好むユーザーにとって「受難」ともいえる状況下にあって、再び熱視線を集めているのがマツダ・ロードスターである。
日本では「ユーノス」のブランド名でローンチされた1stモデル(1989年登場)から数えると、現行は4thモデル。そもそも、スポーツカーそのものが貴重な存在となっている中で、歴代すべてが全長4m以下を守り、装備や安全性の充実で時代の要請に応えながらも車両重量増にはかたくなに抵抗。いわゆる「ライトウェイトスポーツカー」というキャラクターを死守する姿勢は、自動車の重厚長大化を快く思わない世界中のファンの心を捉えて離さない。
走りは素晴らしい。ドライバーの意志に忠実な操縦性、風を感じるオープンフィールは最高だ。歴代ロードスターには、スポーツカーに求められるすべての要素が見事に凝縮されている。とくにストイックな開発姿勢で車重1トン切りを実現した最新の990Sは見逃せない。交差点を曲がっただけで意のままの挙動を実感させてくれる走りのテイストには、まさに快哉を叫びたくなる。
購入ガイド:最新ロードスターは新技術キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)で実力をアップ。とくに軽量仕様の990Sは魅力的。中古車の流通量が多いのもうれしい。現行ND型でも150万円前後から入手可能だ
Writer:河村康彦 Photo:小久保昭彦+MAZDA
(提供:CAR and DRIVER)