この記事は2022年7月20日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年7月20日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年7月21日(木)のECBで利上げ幅が拡大するのではとの思惑からユーロ買いが加速している。これまで2022年7月21日(木)のECBでは0.25%の利上げがコンセンサスとなっていたが、ここにきて0.50%利上げの可能性が浮上。
「インフレ悪化の中で利上げ幅再考の可能性が出てきた」との一部報道があった他、ECB当局者からも0.50%を協議するとの声も聞こえている。ハト派のECBメンバーをどこまで説得できているのかわからないが、0.50%の利上げを意識してマーケットに臨みたい。
また、ロシアからドイツに天然ガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム1」は予定通り2022年7月21日(木)に再開する見込みだが、供給量は40%にとどまるなど不透明感は拭えず、ユーロはヘッドラインに振り回される展開が続く。
一方、2022年7月21日(木)には日銀金融政策決定会合も開催されるが、こちらは現在の金融緩和の据え置きが濃厚だ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
2022年7月21日(木)ECBに向けて0.50%の利上げを織り込む動きが強まればユーロ買いの地合いとなるだろう。ただし、欧州経済の弱さを考えると0.5%利上げで瞬間的にユーロが上がったところは叩かれるかもしれない。
もっとも、一度0.50%が見えてしまった以上、0.25%の利上げにとどまれば失望売りからユーロ/米ドルは再びパリティ(1.0000ドル)を意識しなければならないだろう。イベントリスクが多く手が出しにくいが、ユーロショートのイメージを持ちつつ、イベント通過を待ちたい。
2022年7月21日(木)は日銀金融政策決定会合もあるが、サプライズはないだろう。もちろん、マーケットでは「円は売られすぎ」との見方が海外勢を中心に聞こえてくるが、欧州やスイスも利上げに舵を切るなか、残りは日本のみ。黒田日銀総裁もいつものように「追加緩和継続」と特段のサプライズが無ければやや円安イベントになりやすいか。
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。