米国経済は長期的な成長を続けており、そのことは株価が右肩上がりの上昇を続けていることを見ても明らかです。そんな米国経済の成長力を象徴するのが、ハイテク株、ベンチャー株が多く上場しているナスダックです。GAFAMと呼ばれるIT巨人をはじめ、ネットフリックスやテスラなど話題の銘柄も多く上場しており、日本人投資家にもおなじみです。
2022年5月からは何度か大きく下げる局面があり、これを「押し目(上昇トレンドのときに訪れる一時的な下げ)」と見る投資家も多いことでしょう。ナスダックの下落をチャンスと見る人に向けて、当記事ではナスダックへ投資する方法や、ナスダックの成長力を2倍のペースで資産増につなげることができるレバレッジ型ナスダック投資について解説します。
好調な米国経済を牽引してきたナスダック
ナスダック(NASDAQ)は米国のニューヨーク証券取引所と並ぶ、主要な取引所です。開設されたのは1971年なので比較的歴史は浅いですが、新興企業が上場する市場としてITベンチャー企業も多く上場しており、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)と称されるIT巨人をはじめ、動画配信サービス大手のネットフリックス、EV(電気自動車)メーカーのテスラなどもナスダックに上場しています。
ナスダックには「ナスダック100指数」と呼ばれる株価指数があります。ナスダック全体の動向を知るうえで役立つ指標として広く用いられているので、ナスダック100指数の推移を見てみましょう。
何度か下げている局面はあるものの、全体で見ると強い成長力を維持しており、長期的な右肩上がりの推移となっています。2020年3月に大きく下げているのは「コロナショック」によるものですが、その後すぐに力強い反発を見せて上昇トレンドを再開し、ナスダックの強い成長力を改めて見せつけることとなりました。
そして2022年5月からは再び大きく下げており、これが「押し目」であるならば安値を拾える千載一遇のチャンスと見る投資家がいるわけです。
ナスダック市場に投資する方法5選
強い上昇力と下落からの回復力に期待してナスダックに投資をしたいと思う人から注目されているのが、ナスダック100指数です。個別株投資よりも手軽でリスクの分散効果を得ながらナスダック全体の成長に期待できる投資なので、ここではナスダック100指数に投資する方法を5つ紹介します。
国内ETF
日本国内の証券取引所に上場しているETF(上場投資信託)のなかには、ナスダック100指数と連動するように運用されているものがあります。東証には、以下のような銘柄が上場しています。
- NEXT FUNDS NASDAQ-100®(為替ヘッジなし)連動型上場投信(1545)
- 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし(2568)
- iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジあり)(2841)
- MAXISナスダック100上場投信(2631)
これらのほかにも、ナスダック100指数に連動するETFが上場しており、いずれも証券会社の口座があれば手軽に購入可能です。
国内投信
ETFのように上場していない投資信託のなかにも、ナスダック100指数に連動するものが多数あります。そのなかの代表的なものを3つ紹介します。
- eMAXIS NASDAQ100インデックス
- NZAM・ベータ NASDAQ100
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
これらの投資信託もナスダック100指数と連動しており、これらの投資信託を取り扱っている証券会社の口座から購入可能です。
QQQ
ナスダックは米国の市場なので、もちろん米国にもナスダック100指数に連動するETFがあります。そのなかでも代表的な銘柄として知られているのが、「QQQ」こと「インベスコ・QQQ・ETF」です。この「QQQ」については日本の証券会社でも取り扱っているところが多く、特にネット証券は米国株に力を入れているところが多いため、こうした証券会社から簡単に購入できます。
CFD
CFDは差金決済取引とも呼ばれる、対象となる金融資産のやり取りを実際にすることはなく価格差だけを決済する仕組みのことです。CFDを取り扱っている証券会社のなかにはナスダック100指数と連動する商品を用意しているところがあり、これを売買することで実質的にナスダック100指数への投資ができます。
GMOクリック証券やIG証券、岡三オンラインなどで、ナスダック100指数のCFDが取り扱われています。
レバレッジ型投資信託
5つめに紹介するのは、ナスダック100指数の値動きに対して2倍の値動きをするように運用されている投資信託です。今後ナスダックが成長していくのであれば、その成長力の2倍相当のスピードで資産を増やすことができます。
レバレッジ型投資信託のなかにもナスダック100指数と連動するものがあるので、次章で紹介します。
ナスダック市場の成長力で得られる利益を2倍にできるレバレッジ投資
ナスダック100指数に対して2倍の値動きが発生するように運用されているレバレッジ型投資信託には、以下の銘柄があります。
- iFreeレバレッジ NASDAQ100
- 楽天レバレッジNASDAQ-100
投資信託には運用コストとして信託報酬が発生しますが、上記の2銘柄では楽天の信託報酬のほうが0.77%と低く、投資家からの人気を集めています。この楽天の投資信託は「レバナス」という愛称になっているため、この「レバナス」に投資をしている人たちをネット上で「レバナス民」と呼ぶこともあります。
ナスダックのレバレッジ投資で得られる3つのメリット
レバレッジ型投資信託でナスダックに投資をすることで得られるメリットは、3つあります。
ナスダック市場の成長力が2倍の利益になる
強い成長力が魅力のナスダックに投資をして利益が2倍になるのは、レバレッジ型投資信託の最大のメリットです。
短期的な利益を狙いやすい
短期的な値動きで利益を狙いたい投資家にとって必要なのは、高いボラティリティ(価格変動幅)です。本家のナスダック100指数よりも値動きが大きくなるため、レバレッジ型投資信託は短期投資を志向する投資家にも適しています。
投資の知識がなくても簡単に取り組める
個別株投資に必要な企業の業績や将来性などの分析は必要なく、ナスダック全体が今後成長すると思えば投資ができるため、あまり詳しい知識がなくても始めることができます。
ナスダックのレバレッジ投資で注意したい3つのリスク
レバレッジ型投資信託には、レバレッジ型であるがゆえのデメリットやリスクがあります。特にリスクはしっかりと留意したうえで投資に臨むようにしましょう。
ナスダック100指数が下落すると損失も2倍
レバレッジ型なのでナスダック100指数が上昇すると利益が2倍になりますが、逆に下落すると損失も2倍になります。新興企業が多いだけにナスダック100指数は大きな値動きになることもあるため、相場が乱高下するとその変動幅も2倍になってしまうリスクがあります。
信託報酬が割高
ナスダック100指数のように株価指数と連動するETFや投資信託は「インデックス型」と呼ばれ、信託報酬の安さが魅力です。しかし、レバレッジ型投資信託は値動きが2倍になるように複雑な運用をする必要があることからコストがかさみ、インデックス型と比べると信託報酬も高めです。
ナスダック100指数に連動するレバレッジ型投資信託の信託報酬は楽天が0.77%、iFreeが0.99%となっており、同じくナスダック100指数に連動するインデックス型と比較しても割高です。先ほど紹介した米国の「QQQ」は経費率(信託報酬に相当)が0.2%なので、この比較だけでも割高であることがおわかりいただけると思います。
値動きの2倍という連動性が崩れる可能性がある
レバレッジ型投資信託は本家ナスダック100指数の2倍という、存在しない値動きを作り出す投資信託です。そのためどの銘柄も「2倍程度の値動きを目指す」としており、2倍の値動きを保証しているわけではありません。市場の動向によっては「2倍の連動性」が崩れることもあるので、この点にも注意しておく必要があります。
(提供:Incomepress )
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