この記事は2022年7月26日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=cassis/stock.adobe.com)

2022年7月26日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週は、流れ的に、米ドル/円相場の下値リスクを想定しておいたほうがいいと考え始めたところだ。

2022年7月の21日(木)、22日(金)で米10年債の利回りが3.08%から2.74%まで最大で0.34%も下落した。これはかなりの大きな下落。またその結果米ドル/円は138.88円付近から135.57円付近まで、約3円31銭も下落している。米10年債利回りが2.7%を割るようなことがあれば、4月以降何度も止まったサポートラインである2.3%付近までの下落が、可能性として考えることができる。

ここまで一気に下がることはないと思うが、米債の利回りがもしこのレベルまで低下するなら、例えば米国株の大暴落など、ものすごいリスクオフが起きていないといけない。なので、何かのきっかけでリスクオフに動いたときに、米ドル/円は一般的に日米の金利差拡大の方向、つまり基本ブルでしか考えられていないので、ファンダメンタルからすると円売りになる。

そうなるとどうしてもポジションがドルロングに傾きやすくなる。よってリスクオフがあった場合、マックスで131円台辺りまで落ちてもおかしくないと考えている。2022年の21日(木)、22日(金)の米債の下落を切りのいいところで0.33%と仮定して、米ドル/円も下落を3円30銭と仮定した場合、先週は米債利回りが0.1%の下がると米ドル/円が1円程度下がる動き方をしたことになる。

米債利回りの次の強いサポートは2.3%なので、2.7%から2.3%までが0.4%の下落のため、米ドル/円では4円程度落ちる可能性を秘めていることになる。また米ドル/円の131.35円付近というのは以前、2度ダブルトップで天井を打ったものが上抜けして上昇が始まり、その後落ちても日足チャートでそのレベルできれいに止められたという流れがあった。

もしこのレベルまで下がると135円台ミドルから見ると、4円ほど下がることになり、上記想定と合致する。もちろん一気に下がることはないだろうし、米債利回りが2.7%を割り込まなければそこまで気にする必要もないと思う。

ただ、もし割り込んだ場合、レベル感で買いから入ることだけは避けたい。米債利回りが急落した場合には大きくドルが崩れる可能性があるので、そのリスクは念頭に置いておいたほうがいいだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

2022年7月の米ドル/円予想レンジは134.20~138.00円。戦略としては目先は戻り売り。というのは、135円台の安値は、2022年7月25日(月)に付けているが、もう一度下値を固めないと上方向は考えづらい。

そのため、戻り売りから入って、135円台のどこで止まるのか、もしくは以前サポートとなった134.27円付近まで行くのか、その辺りを見極めてから下値を確認したい 。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。