丸山 優太郎
丸山 優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している。

仕事を持つサラリーマンが副業で不動産投資を行う場合、時間がないため不動産会社のすすめるままに物件を選んでしまう恐れがあります。

不動産投資の経験が浅いサラリーマンに売れ残っている物件や高額な物件を売りつける不動産会社もあるため、注意が必要です。

そこで、サラリーマンが不動産投資でカモにされないために行うべき5つの対策を紹介します。

実はサラリーマンこそ不動産投資に向いている

サラリーマンが不動産投資でカモにされないための5つの対策
(画像=LIGHTFIELDSTUDIOS/stock.adobe.com)

不動産投資は時間や資金に余裕がある富裕層が行うものというイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、実は本業を持つサラリーマンこそ不動産投資に向いているのです。

その理由の一つは、給与という安定収入があることです。金融機関は融資の審査をする際に返済能力を重視します。個人事業主などは収入が不安定とみなされ、審査に通りにくい傾向があります。

その点、サラリーマンは毎月安定した収入が見込めるので、審査に通りやすいのです。勤務年数が長く、大企業に勤務していればより高く評価されるでしょう。

また、不動産経営は管理会社に委託すれば本業に影響を与えることなく行うことができます。入居者からの問い合わせにも管理会社が応じてくれるので、オーナーが勤務中に対応する必要はありません。

さらに、サラリーマンは不動産投資で節税できる場合があります。不動産経営で赤字が出ると、確定申告において給与所得と合算して損益通算することができるためです。給与所得と不動産経営の赤字が相殺されて、所得税や住民税が減ることから節税につながります。

不動産投資でカモにされないための5つの対策

サラリーマンが不動産投資でカモにされないための5つの対策
(画像=photobyphotoboy/stock.adobe.com)

サラリーマンは不動産投資に向いていると述べましたが、初心者の場合は物件選びが難しいのも事実です。不動産会社によっては不良在庫を売りつけるケースや、予算を超える高額な物件を売りつけることがないとはいえません。

サラリーマンが不動産投資でカモにされないための対策は以下の5つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

・不動産の知識を身につける
・物件選びを不動産会社任せにしない
・高利回り物件にすぐに飛びつかない
・目標を明確にした不動産投資を行う
・不動産投資セミナーに参加する

対策1:不動産の知識を身につける

家賃収入でローンを返済する不動産投資は安定した投資であるといわれていますが、だからといってまったく不動産の知識を持たずに投資することは危険です。不動産の基本的な知識を身につけると、営業担当者からの提案を判断するときに役立ちます。

例えば、「一棟所有」と「区分所有」の違いや、「表面利回り」と「実質利回り」の違いなどです。サラリーマンが副業で行うのに一棟物件をすすめてきたら疑問に思うでしょうし、あまりに高い利回りを説明された場合も「表面利回りのことをいっているのだな」と判断し、安易に利回りだけで飛びつくことを回避できます。

また、「賃貸マンションは好調だが、賃貸オフィスは空室率の高い状況が続いている」など、不動産市況をリサーチすることも必要です。どんなジャンルの物件でもそれなりのメリットはありますが、賃貸経営は入居者が付くことが何より大事なのです。

対策2:物件選びを不動産会社任せにしない

物件選びを不動産会社に任せきりにするのは、カモにされる大きな要因になります。どのような投資であっても「お任せします」は禁句です。

「この顧客は初めての不動産投資だから、成功させて長く付き合える顧客になってもらおう」と前向きに考える不動産会社は良いのですが、「一任されたのなら、買い手が付かないあの物件をすすめてみるか」と不良在庫を処分するチャンスと考える不動産会社もあるでしょう。

不動産会社の都合で物件をすすめられることを避けるためにも、いくつか物件を紹介してもらい、最終的には自分で購入する物件を決めることが大事です。

対策3:高利回り物件にすぐに飛びつかない

営業担当者から高利回り物件を勧められても、すぐに飛びつくことは控えましょう。中古物件を勧める
営業担当者は多くの場合、諸費用や空室リスクを考慮しない表面利回りの高さを強調しますが、築古の中古物件は価格が安いため利回りは新築より高くなる傾向があります。

しかし、中古物件は空室リスクや修繕が発生するリスクが高いことから、買ってみたら実質利回りが低かったということになりかねません。

新築マンションは中古より表面利回りが低かったとしても、入居者が付きやすく、開業後しばらくは修繕費用がほとんどかからないというメリットがあります。空室や修繕を考慮した実質利回りは新築のほうが高いといえるでしょう。

対策4:目標を明確にした不動産投資を行う

不動産投資はキャッシュフロー(お金の出入りの差)が黒字になることが理想ですが、赤字でも将来的なキャッシュフローまで考えて投資するのが不動産投資の正しい考え方です。

「将来の生活に対する備えをするため」といった目標を明確にして不動産投資を行うことで、「この物件なら確実にキャッシュフローが黒字になりますよ」といった営業担当者の言葉だけで判断することを避けられます。キャッシュフローを計算することは大事ですが、出口戦略まで考えて最終的に利益が見込める物件を選択するようにしましょう。

対策5:不動産投資セミナーに参加する

良い不動産会社を選ぶには、不動産投資セミナーに参加するのも有効です。専門家による講演だけでなく、相談コーナーも設けられているのが一般的なので、不動産投資の不安点などを質問することができます

主催した不動産会社の雰囲気もわかるので、気に入れば地元に最も近い営業所を紹介してもらうのもよいでしょう。

カモにするような業者はごくわずか、良い不動産会社を選べば安心して投資できる

サラリーマンが不動産投資でカモにされないための5つの対策
(画像=thodonal/stock.adobe.com)

不動産投資でカモにされないための5つの対策を紹介しましたが、注意しなければいけないのは、売れ残った不人気の物件や予算を超える高額な物件を売りつけたとしても詐欺にはあたらないという点です。

すすめるのは普通に販売されている不動産であり、原野商法のようにありもしないリゾート開発計画を持ち掛けて無価値の土地を売るのとは違います。

不動産会社としては在庫を処分したにすぎません。それだけに買ったあとに後悔しても遅いので、不動産会社選びがなおさら大事になるのです。選ぶべき良い不動産会社としては次の3つが挙げられます。

・上場不動産会社
・有名不動産チェーン店
・地元で長く営業している不動産会社

上場不動産会社

上場企業の経営陣にとって、最も恐れるのは上場廃止処分です。過去にも法令違反などで上場廃止になった有名企業は数多く存在します。

上場企業はコンプライアンス(法令遵守)が厳しく問われます。それと同時にCSR(企業の社会的責任)も重視しているため、スキャンダルを嫌います。その観点から上場不動産会社がニュースになるような強引な営業を行うことは考えにくいでしょう。

有名不動産チェーン店

テレビやWebでCMを行っているような有名な不動産チェーンは信頼性が高いといえます。1つの店舗が強引な営業を行って問題になると、チェーン全体のイメージダウンにつながるため、強引な営業はしないように社員に厳しい指導を行っている傾向があるためです。

むしろ豊富な物件の中からじっくり選べるのが有名不動産チェーン店の特徴といえるでしょう。

地元で長く営業している不動産会社

地元で長く営業している不動産会社も安心感があります。不動産会社は販売物件だけを扱っているわけではありません。賃貸物件も扱っているので、強引な営業をすると悪い噂が立ち、賃貸の成約にも影響を与えかねません。地元で長く営業している会社なら強引な営業をする可能性は低くなります

以上の3つのポイントに当てはまるような会社であれば、少なくともカモにされる心配はないでしょう。

実際には顧客をカモにするような不動産会社はごくわずかです。ほとんどの不動産会社は誠実な営業を行っているので、良い不動産会社を選べば安心して投資できます。

とはいえ、賃貸物件を探すのと違い投資物件は費用も高額なので、いきなり不動産会社を訪れるのは敷居が高いと感じる方もいるでしょう。そのような方は、まずは不動産投資セミナーに参加して、専門家に相談してみるのもよいのではないでしょうか。

(提供:Dear Reicious Online



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