この記事は2022年8月9日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年8月9日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。
現在の為替相場の傾向や相場観
先週は、米FRB当局者から「金利を下げ過ぎだ」といった牽制球が入ったことや、ISM非製造業景況指数や雇用統計の強い結果をうけて金利マーケットが戻り、金利が再上昇して、ドルが戻したという流れだった。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米国の金利とドルとの連動制が非常に強まっているが、昨日8日(月)の動きを見ると、2年という期近の金利は高く、長期金利は差があるという、長短金利差の拡大現象が大きくなっている。よって、期近の金利上昇を重視するのか、長期金利の低下を重視するのかで、ドルに対する反応は違ってくる。
長期金利の低下は現在の経済が強く、なおかつインフレが高ければ高いほど将来の利上げが大きくなるため、将来の不景気がより深くなるというロジックで動いているのだと思う。未来の不況を重視するならドル売り、手前の好況を重視するならドル買いというアンビバレントな状況。
ということで、マーケットは色々決めかねるので、指標や要人発言など、目の前のサイコロ次第では乱高下することになりそうだ。明日10日(水)のCPIが9%の予想を上回る数字であればドル買い、予想を下回る8%台前半などであればドル売りといった単純な動きを想定している。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。