世の中には多くの投資商品があるが、「情報収集をする時間がない」「投資判断が難しい」などの理由から自身に合った商品が選べず、資産運用を諦めている人は多い。しかし、最近ではAI投資が登場したことで、投資信託や外貨預金などのハードルが下がりつつある。

具体的にどのようなAI投資が台頭してきたのか、本記事では主な種類やメリットなどを解説する。

資産運用はAIが判断する時代へ

資産形成をサポートしてくれる「AI投資」どんな種類がある ?
(画像=metamorworks / stock.adobe.com)

あらゆる業界にAIが導入されている昨今、その波は資産運用の分野にも及んでいる。

投資には個別株や投資信託、不動産投資などさまざまな選択肢があるものの、いずれも知識や勉強を要するものが多かった。また、各企業の業績やチャートなどの確認に手間がかかることから、"時間のなさ"を理由に資産運用を諦めていた人もいるだろう。

しかし、近年では人間の代わりに投資判断を行うAI (人工知能) が登場したことにより、その状況が変わりつつある。実際の運用はもちろん、ポートフォリオの構築などを行ってくれるAIも増えてきているため、投資を始めるハードルは徐々に下がっていくだろう。

AI活用型の投資信託とは ?

代表的なAI投資商品としては、まず「AI活用型の投資信託 (AI投信) 」が挙げられる。これは、今までファンド・マネージャー (※投資信託の運用者) が行ってきた投資判断などの業務を、AIが代わりに行うタイプの投資信託だ。

AI投信の魅力は、従来の投資信託に比べてコストが安めに設定されている点にある。また、AIは常にビッグデータなどをもとに投資判断を行っているため、人間のようにプレッシャーや不安などの影響を受けることがない。

ただし、過去に例がない相場変動には弱い傾向があるので、購入する銘柄や手放すタイミングは慎重に判断する必要がある。

最適な資産運用を提案する「ロボアド」も台頭

AIが最適な資産運用を提案してくれる「ロボットアドバイザー (ロボアド) 」も、台頭してきているAI投資のひとつだ。

ロボアドは機械学習やアルゴリズムを用いたサービスであり、WEB上でAIの質問に回答すると、各ユーザーに適した商品や投資配分などを提案してくれる。

ロボアドには「助言型」「自動運用型」の2種類があり、どちらのタイプを選ぶかによって投資商品の購入方法や運用方法などが変わってくる。

・助言型…バランスの良いポートフォリオの形成にむけた金融資産の組み合わせなど投資の提案はしてもらえるが、最終的な判断はユーザー自身で行う。
・自動運用型…AIからの提案に同意すると、自動的に運用やリバランスを行ってもらえる。

ロボアドのメリットは、資産配分などの判断をAIに任せることで、資産運用の手間を抑えられる点にある。また、サービスによっては米国のETF (上場投資信託) なども投資対象に含まれるため、投資初心者であっても保有資産の種類を広げられるだろう。

ただし、ロボアドにはデメリットも潜んでいる。なかでも注意しておきたいデメリットは、成功報酬をはじめとしたコストがやや高い点だ。

一部のサービスを除き、ロボアドの利用時には運用益に応じた手数料が発生する。手数料はサービスごとに異なるが、インデックス型の投資信託に比べると全体的にやや割高であるため、発生するコストは事前に確認しておきたい。

ロボアドのメリット、デメリットをまとめると以下のようになる。

▽ロボアド投資のメリット、デメリット

主なメリット主なデメリット
・資産運用の手間を抑えられる
・海外の金融商品にも投資可能
・資産や目的に適した方法を提案してもらえる
・コスト (手数料) がやや高い
・短期的な投資には適していない
・現時点ではサービスの選択肢が少ない

AIを活用する場合であっても、投資対象が偏りすぎると損失のリスクは高まってしまう。安定した資産運用を目指しているのであれば、投資をする金融商品や地域などを分散させて、カントリーリスクや為替変動リスクなどに備えることが重要になる。

そこで選択肢として検討したいものが、AIが通貨のバランスを決めてくれるタイプの外貨預金だ。AI型の外貨預金では「円20%+米ドル80%」や「円50%+豪ドル50%」のように、外貨の最適な組み合わせや配分を提案してもらえる。

では、ほかの投資商品と比べてどのようなメリットがあるのか、以下で簡単に紹介しておこう。

▽AI型の外貨預金のメリット
・投資初心者でも簡単に分散投資ができる
・投資信託などに比べると商品性がシンプルで分かりやすい
・日本円よりも高金利な外貨を選べば、定期的に利息がつく

地域特性を見極めたうえでのリスク分散やバランスの取れたポートフォリオ形成は、容易ではなく特に初心者にはハードルが高い。しかしAIが為替動向などを考慮した商品を提案してくれるのであれば、外貨預金への参加ハードルは低くなる。投資である以上、AIが予測したパフォーマンス通りの利益が得られるとは限らないが、外貨を含んだ中長期的な資産運用の手段として有力な選択肢になるだろう。

AIを活用すれば初心者でも安定した資産運用が可能に

AI型のサービスを利用すると、分析や投資判断などの作業をAIが行ってくれるため、勉強や情報収集などの手間を大きく省ける。また、最近では分散投資に適したサービスも登場しているので、うまく活用すれば安定した資産運用も可能になるだろう。

特に時間のなさや手間などの面で投資を諦めている方は、これを機にAIの助けを借りてみてはいかがだろうか。

(提供:大和ネクスト銀行


【関連記事 大和ネクスト銀行】
大切なのは「お金より時間」? お金の管理を「時間」に応用しよう
個人投資家の強みを活かす ! 機関投資家が参入しづらい銘柄の特徴
知っているとお得な「株主優待知識」をおさらい ! 全4選
落語で学ぶ「お金にまつわる」3つの教訓
富裕層が米ドルを選ぶ理由「殖やす」以上に大切なコト