不動産投資用の物件を選ぶ際は、選ぶ物件によって収益に大きな差が出るため慎重に行う必要があります。しかし、初めて不動産投資を行う場合、誰に相談すればよいか迷う人も多いでしょう。

本記事では、物件選びも踏まえた不動産投資における相談先別のメリット・デメリットについて考えます。

不動産投資を相談するならどこがベスト?相談先別のメリット・デメリット
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丸山 優太郎
丸山 優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している。

高額商品の購入に相談は欠かせない

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普段、スーパーなどで食品を買うときに店員に相談することはほとんどないでしょう。万が一、目的の料理に使用できなかったとしても損失は数百円のレベルだからです。しかし、数万円以上する家電製品などになると話は別で、店員から商品の説明を受けている人を店頭でよくみかけます。

価格が数百万円から数千万円する不動産は、なおさら相談が必要です。期待した収益を得られない場合、損失も多額になります。

また、相談内容で重要なのが物件選びと資金計画です。金融知識がないままに高い金利でローンを組むと、長い目で見て支払総額に大きな差が生じます。

金利1%の違いでどれくらい支払い額に差が出るのか

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ここでは、金利1%の違いで支払総額にどの程度の差が出るのかをシミュレーションしてみましょう。5,000万円を30年ローン、元利均等払いにより1.0%と2.0%で借り入れる場合の支払額の差は下表の通りとなります。

金利毎月の支払額総支払額総支払利息
1.0%16万819円5,789万4,947円789万4,947円
2.0%18万4,809円6,653万1,359円1,653万1,359円

金利が1%違うと、毎月の支払額で2万3,990円、総支払額と総支払利息でいずれも863万6,412円支払額に差が出ます。しかも、この差は借入額が多いほど拡大することになります。物件購入前にしっかり相談して、少しでも金利が低い融資を受けられるようにすることが大事です。

不動産投資の主な相談先

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不動産投資について相談する相手は多岐に渡ります。ここでは代表的な5つの相談先について、それぞれのメリット・デメリットを考えてみましょう。

1.不動産コンサルタント

不動産コンサルタントは、不動産の売買・活用・運用などについて適切なアドバイスを行う不動産の専門家です。宅地建物取引士、不動産鑑定士、一級建築士のうちいずれかの資格を所持しています。

売買サポートでは、購入したい物件の評価や、売却する場合の客観的査定などを行います。中立的な立場でアドバイスしてくれるので安心です。

デメリットは、相談に費用がかかることです。相談料の相場は1時間5,000円程度ですが、顧問契約の場合は年間10万円程度かかるといわれています。

メリット
・不動産の専門的知識が豊富
・中立的立場でアドバイスしてくれる

デメリット
・相談に費用がかかる
・物件の購入はできない

2.不動産投資経験者

友人・知人に不動産投資経験者がいれば話を聞いて参考にすることができます。メリットは、実際に不動産を購入した実体験が聞けることです。利害関係がないため、強引に物件の購入を勧められることもありません。

デメリットは、取引実績が少なく限られた物件の事例しか聞くことができないことです。例えば、友人・知人がアパートしか投資したことがなければ、区分マンションの購入を考えている場合あまり参考にならないかもしれません。また、法務関係や金融関係のことを聞きたくても不動産会社の営業担当者ほどの知識があるわけではありません。

友人・知人の話はあくまで参考程度に考えるべきで、具体的な物件購入の相談をするのは控えたほうが無難です。

メリット
・不動産購入の実体験が聞ける
・利害関係がない

デメリット
・取引事例が少なく、物件タイプが偏る場合もある
・専門的な知識が低い

3.金融機関

ローンを組んで物件を購入したい場合、金融機関への相談は欠かせません。自己資金や年収などから「この程度の価格の物件なら融資可能」という目安を知ることができるのは、資金計画を立てる上で重要なアドバイスになります。

デメリットは、金融機関の窓口担当者は不動産のプロではないため、物件選びに関するアドバイスを受けるのが難しい点です。仮に不動産に詳しい人が担当になったとしても、具体的な物件を購入できるわけではありません。金融機関はあくまで融資や資金計画について相談する場と割り切ることが大事です。

メリット
・融資の具体的な相談ができる
・融資可能な物件価格の目安を知ることができる

デメリット
・窓口担当者が不動産のプロではない
・物件の購入はできない

4.不動産会社

不動産を直接購入する不動産会社に相談するのは、最も実践的な方法といえます。物件探しから、法務関係、資金計画、相続対策まであらゆる分野について相談できます。あらかじめ不動産会社に相談することで資金計画をブラッシュアップできるため、金融機関の融資に通る可能性が高くなります。

ただし、不動産会社ならどこでもよいというわけではありません。違法なローンを組ませる悪質な不動産会社も存在するので、信頼できる不動産会社を選ぶことが大事です。

メリット
・不動産投資に関するあらゆることを相談できる
・具体的な物件を紹介してくれる

デメリット
・不動産会社によってレベルの差が大きい
・優良な不動産会社を見極める目が必要

5.不動産投資セミナー

主に大手不動産会社が行っている「不動産投資セミナー」も良き相談の場となります。不動産に関する講演があり、不動産のプロの話から有益な知識を得ることができます。受付や案内をするスタッフの応対から主催する不動産会社の雰囲気もわかるでしょう。

また、不動産投資セミナーには同じ志を持った人たちが参加しているので、周りの人たちの真剣な眼差しを見ることで、自らの不動産投資へのモチベーションが高まるメリットもあります。

デメリットは、すべてのセミナーが相談者にとって有益なアドバイスをしてくれるとは限らないことです。なかには不動産投資セミナーと称して商品販売や高額なコミュニティへの入会を目的とするところもあります。

主催している不動産会社が業界で認知されている優良な会社なのか、事前にしっかり確認してから参加するようにしましょう。

メリット
・主催している不動産会社の雰囲気がわかる
・不動産投資へのモチベーションが上がる

デメリット
・すべてのセミナーが優良とは限らない
・本来の目的を隠しているセミナーもある

あらゆる分野の相談ができる総合不動産会社がベスト

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不動産投資についての相談先はいろいろあることを見てきましたが、結論をいうと総合不動産会社がベストです。総合不動産会社とは、仲介だけでなく物件の管理も行う不動産会社です。仲介も売買と賃貸の両方を扱っています。

購入するだけでなく、そのまま管理も委託できるので、利便性が高い点がメリットです。総合不動産会社なら物件の選択から法務・金融関係まであらゆる分野の相談ができます。

また、総合不動産会社には多くの場合、資産運用相談のプロであるファイナンシャルプランナーの資格を持ったスタッフが常駐しています。ファイナンシャルプランナーは、ローン完済後の家賃収入でリタイア後のゆとりある生活を目指すライフプランとしてマンション経営を勧めてくれるので、安心して相談できます。

不動産投資をするにあたり、不動産会社は長い付き合いになるパートナーです。まずは総合不動産会社の窓口や優良な不動産投資セミナーを活用して、気軽に不動産投資の相談をしてみてはいかがでしょうか。

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