公務員は副業が禁止されていることは、広く知られています。これには法的な根拠もあり、今もその法律は有効です。副業が禁止ということは、公務員は不動産投資もやってはいけないのでしょうか。

しかし、先祖代々受け継いできた不動産で賃貸業をしている人は公務員になれないのかというと、実際にそういう人は多数います。これは果たして合法なのか、それとも何か特別なルールがあるのか、気になる人も多いことでしょう。

そこで本記事では、副業が禁止されている公務員でも可能な4つの副業を紹介し、さらにその副業のなかでも不動産投資が有効である理由について解説します。

副業が禁止されている公務員も可能な副業4選と不動産投資が有効な理由
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田中 タスク
田中 タスク
エンジニアやWeb制作などを経験した後にFXと出会い、それを契機に投資系ライターとしての活動を開始。自身もさまざまな投資を経験し、その経験をいかした執筆活動に強みをもつ。長期的な視野にたって資産運用の重要性を強く感じ、不動産投資を含む中長期的な投資の生きた情報を発信するための記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

「公務員の副業禁止」は法律で定められている

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公務員の副業禁止は、法律にその規定が明記されています。国家公務員法第103条「私企業からの隔離」、同第104条「他の事業または事務の関与制限」がそれです。

地方公務員についても同様で、地方公務員法第38条「営利企業等の十字制限」が規定されています。これらの法律により、公務員の副業は明確に禁じられています。

なぜ公務員は副業が禁止されているのか?

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それではなぜ、公務員は副業が禁止されているのでしょうか。その理由はいくつかあります。

第一にいえるのは、職務に支障が出る恐れがあるからです。副業に精を出しすぎるあまりに本業がおろそかになってしまうというのは国民や市民の理解が得られないと思われるので、それを防ぐためです。

そのほかにも信用失墜行為の禁止という目的があります。副業の内容によっては公務員の信用を失墜させる恐れがあるため、それなら副業全体を禁じるという考え方です。また、公務員には守秘義務がありますが、副業によっては職務上知り得た秘密を「利用」してしまう可能性があります。

こうした副業禁止の理由は法律にも明記されています。国家公務員法の第99条から第101条、地方公務員法の第33条から第35条には、先ほど解説した副業禁止の根拠が規定されています。

実は公務員に認められている副業もある

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法律で禁じられているとはいえ、公務員はいかなる副業もしてはならないわけではありません。例外的に認められている副業もあります。公務員が合法的に行うことができるおもな副業は、以下の4つです。

・不動産投資
・株、FX、仮想通貨投資
・小規模農業
・家業手伝い

これらの副業が認められているのは、投資は労働を伴わないため本業への影響が少ないと考えられるからです。また、農業や家業は公務員になる前から行っていた可能性が高く、公務員になるためにこうした事業を廃業させるのは現実的ではありません。

さらに、これに加えて現在では公益性や社会貢献の効果が認められる場合に限り副業が認められるケースもあります。

兵庫県神戸市や奈良県生駒市では具体的な取り組みが始まっており、神戸市では職員が「父親業」として本格的な育児参加をしているユニークな事例があります。また、生駒市では職員に地域活動への積極的な参加を促すための制度を整備しています。こうした事例や環境整備は今後も進むと思われるので、地域に根差した公務員の「副業」はさらに拡大していくでしょう。

公務員の副業で人気の不動産投資について

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先ほど、公務員でも合法的に取り組むことができる4つの副業の1つとして不動産投資を紹介しました。不動産投資については冒頭でも述べたように公務員になる前から相続による不動産事業を承継している場合もあるため例外的に認められてきた部分がありますが、公務員になってから新たに始めることも可能です。

公務員になってからでも不動産投資なら副業可能である理由は、外注化が可能だからです。マンション経営などの不動産投資は大家としての業務のほとんどを外注化できるため、本業に専念できなくなるほどの手間や時間を取られることがありません。

この「本業に専念」できるかどうかが1つの基準になっており、公務員の不動産投資には以下の上限が設けられています。

・5棟10室未満であること
・土地の賃貸は10件未満
・駐車場の賃貸は10台未満
・不動産収入が年収500万円未満

(参照:人事院「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」

この上限を超える規模の不動産投資は法律で禁止されている副業と見なされる可能性が高いので、注意が必要です。

さらに、公務員が不動産投資をする場合には管理にも条件がつけられています。

入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。

(引用元:人事院「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」

先ほど述べたように、公務員としての本業に支障が出ることを可能な限り抑える形で不動産投資をするように求めているわけです。

しかし、相続によって取得した不動産の規模が上記の基準を超えている場合もあります。この場合は公務員になる前から所有しているものであり、家業として代々受け継がれてきたものなので、例外的に認められるケースが多く見られます。

公務員が不動産投資を行うことに関する詳しい基準や義務などについては、こちらの記事に詳しい解説があります。公務員で不動産投資を始めることを考えている場合は、こちらも併せてお読みください。

重要なのは「外注化」と「パートナー選び」

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ここまでの解説で、公務員が不動産投資を始めるために重要なポイントがおわかりいただけたと思います。そのポイントとは2つで、1つめは「外注化」です。本業に支障が出ないように物件の管理や家賃の回収などの業務を可能な限り外注化することを人事院規則でも求めているので、これに従う必要があります。

2つめのポイントは「パートナー選び」です。このパートナーとは、不動産投資のための収益物件を提案し、販売する不動産会社のことです。投資に特化した不動産会社として「不動産投資会社」と呼ばれることもあります。

「餅は餅屋」の言葉があるように、不動産投資にも不動産投資の専門家がいます。初めて収益物件を買う人は初心者なので、経験豊富な不動産投資会社をパートナーにする必要があります。

不動産投資会社の役割はとても大きく、おもに以下の業務で投資家をサポートします。

・収益物件の選定、提案
・収益物件の販売
・資金計画のサポート
・金融機関の紹介
・物件管理、家賃回収
・収益物件の売却業務

細かい業務を含むと、これよりもさらに多くなるでしょう。平たくいえば、不動産投資の業務全般を担っているといえます。逆に投資家は物件を購入して入金の管理をする程度で済むほど、不動産投資は高度な外注化が可能です。

これだけ多くの役割を担うのですから、不動産投資の成否は不動産投資会社選びで決まるといっても過言ではありません。それぞれの投資家の意向や事情に合わせた物件の提案や収支シミュレーションが的確でなければ期待どおりの効果は得られないでしょうし、最悪の場合は赤字続きで物件を手放すような事態もあり得ます。

これから不動産投資を始めたいとお考えの公務員の方々は、この「外注化」と「パートナー選び」をしっかりと意識しつつ取り組んでください。

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