本記事は、荒木杏奈氏、木下勇人氏の著書『安定した資産運用を実現する はじめての海外不動産投資』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています

「カンボジア不動産が最強」の証明

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(画像=Nhut/stock.adobe.com)

ダブルインカムの実現

カンボジアの不動産投資が最強だと証明するには、インカムゲインとキャピタルゲイン2のつが狙えることは必ず押さえておきたいところです。改めて、これらの2つを整理しておきます。

1つ目のインカムゲインとは、「資産を保有することで安定的・継続的に受け取れる利益」のことを指します。不動産投資におけるインカムゲインは、家賃収入が該当します。

インカムゲインを得るための不動産投資なら、一般的には国内不動産が強いと言われています。なぜなら新興国と比較して、日本の成長率は低調である反面、暴動や政変などのリスクが低いため、安定して収益を得ることができるためです。

また、比較的賃料が高く、不動産の需要が高い国もインカムゲインを得るためにはおすすめの投資先となります。

2つ目のキャピタルゲインとは、「保有していた資産を売却することによって得られる売却益」のことを指します。不動産投資におけるキャピタルゲインは、物件の売却によって得られる収益が該当します。

物価の上昇に伴って不動産価値が高まるため、キャピタルゲインを狙うなら安定している国内よりも、成長余地のある海外諸国への不動産投資が適していると言えます。

また、海外では日本と違い中古不動産を購入して生活する人が多いため、中古不動産の需要が高く、日本のように中古になった瞬間、価値が大幅に落ちたりすることが少ないのです。

カンボジアは、前項でも書いたように新興国であるため成長の余地があり、キャピタルゲインが狙いやすいのはイメージがしやすいと思いますが、同時にインカムゲインまで期待できるのはなぜでしょうか。

カンボジア不動産投資で得られるインカムゲイン

カンボジアでは、住宅の供給が限られています。特にその傾向が強く表れているのが、坪数が大きく高い賃料のかかるハイクラス物件です。

リーマンショック以降の急速な回復後、カンボジア経済は安定的かつ高い経済成長を続けてきました。

その結果、以前から都市周辺に集中する傾向があった人口分布は、今日では首都プノンペンとその周辺5州にカンボジアの全人口のおよそ半分が集まりました。

これに対して、プノンペン市内のハイクラス物件の供給はまるで追いついていません。

借り手が圧倒的に多い状況では、ハイクラス物件の賃貸料は上昇するか、最悪でも高止まりするしかないのです。

これが、カンボジアの不動産投資でインカムゲインを獲得できる理由です。貸し手側が価格決定力を持つ状態が変化しないのなら、これは当然の結果ともいえます。

「供給の少ないハイクラス物件を狙う」、これがカンボジア不動産投資でインカムゲインを得ることができる1つ目の理由です。

そしてもう1つ、カンボジアでのインカムゲインに投資家が注目する理由に、カンボジアの預金・金利事情があります。

インカムゲインによる収入は通常、カンボジアの銀行に振り込まれます。銀行にお金を預けると金利が付きますが、日本では大手銀行でも0.001~0.002パーセント程度の金利しかつきません。

これに対してカンボジアの現在(2022年1月)の預金金利は4パーセント台です。そのため、インカムゲインで入ってきた利益に年間4パーセントの金利が付くことになります。

つまり、家賃収入(インカムゲイン)にもう1つのインカムゲインとしての金利収入が狙えるというのが2つ目の理由になります。

カンボジア投資で得られるキャピタルゲイン

新興国への投資で最も手堅いのは、首都への投資です。いずれの国においても、首都は経済発展の恩恵を最も受けますし、需要と供給のバランスを考えても、一番価値のある場所であることがその理由です。

ところが多くの新興国では、そのような物件はすでに販売済み、もしくは経済成長による資産価値上昇の結果、手の出せない水準にまで価格が上がってしまっています。

一方、カンボジアでは依然として、プノンペンの一等地の物件も入手可能です。

不動産価格はバイアスがかかりやすいことから、経済成長の恩恵を一番受けやすいとされます。さらに、誰もが認める一等地の物件はその影響が一番大きいため、キャピタルゲインのリターンも期待ができます。

さらに、買い手側にとって購入価格を下げて、収益アップを狙えるもう1つのポイントがあります。

それは、新興国の新築不動産で活用される「プレビルド」ができることです。ここで少し具体的に説明します。

カンボジアなどの新築海外不動産販売は、必ずしも物件が完成してから行われるものではありません。建築中のコンドミニアムが販売されるのです。

日本でもマンション販売などのときは内覧会があり、完成前に売買契約を結ぶことは普通のことかもしれません。しかし、「プレビルド」にはそれとまったく違った点があります。

その違いとは、契約時点で代金をすべて支払ってしまうことです。

ディベロッパーは完成までの借入資金の金利を抑えるために、完成前や建築着工前に物件を売り始めます。

物件販売は通常、プロジェクト完了までに何回かに分けて行われます。そして同条件のコンドミニアムでも、1回目より2回目、2回目より3回目、つまり完成に近づく時点の方が販売価格は高く設定されます。

最終的には完成直前の販売額が最も高くなり、なかにはスタート時との差が1.5倍ほどになることもあるのです。

完成直前の販売価格と比べ、プレビルドの金額を下げられるのは、金融機関からの借入の金利負担額を考えると、ディベロッパーにとっての利益が変わらないからです。

つまり、投資する側からすれば、完成まで時間のある物件は、最終価格より安価で購入が可能であり、その分得られる収益が上昇することになるのです。

ここまでお伝えしてきたことをまとめると、カンボジアはハイクラス物件の供給が少なく、銀行の利率が高いことから、新興国でありながら、キャピタルゲインだけでなく、インカムゲインも期待できる投資先となっています。

いずれハイクラス物件の供給が追いつけば、マレーシアやシンガポールのようにインカムゲインの旨味がなくなってしまうときもやってくるでしょう。焦らせるわけではありませんが、早ければ早いほど資産運用にはいい成果につながるのです。

安定した資産運用を実現する はじめての海外不動産投資
荒木杏奈(あらき・あんな)
アンナアドバイザーズ株式会社代表取締役、宅地建物取引士。1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。自身でも投資を積極的に続けている。YouTubeチャンネル 『アンナ社長』カンボジアンナを運営。関連会社のアセットオーシャン株式会社代表取締役では、「海外不動産投資・賃貸・移住をもっと身近に」をテーマに、海外不動産のポータルサイト 『Asset Ocean』を運営。著書に『東南アジア投資のラストリゾート カンボジア』(幻冬舎)
木下勇人(きのした・はやと)
愛知県津島市出身。税理士法人トーマツにて非上場会社オーナーファミリーの事業承継対策に従事。2009年、名古屋で相続専門税理士法人を設立し、富裕層に対する不動産・財産コンサルティング、オーナー社長への事業承継コンサルティングを中心に業務を展開。税理士向けに年間100回以上の研修講師を担当している。2017年9月に東京事務所、2021年6月につくば事務所開設。東京税理士会 麹町支部所属。公認会計士・税理士。 主な著書に、「新版 相続・事業承継に役立つ生命保険活用術(清文社:単著)」「複眼的視点を養おう! 税理士が身につけるべきコーディネート力(清文社:単著)」、「ホントは怖い 相続の話 単行本(ぱる出版:単著)」、「新しい常識 家族間契約の知識と実践(日本法令:共著))がある。

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