国内における空飛ぶ車のプロジェクトや開発企業

日本国内でも空飛ぶ車のプロジェクトや開発企業が増加中だ。ここでは、国内における空飛ぶ車のプロジェクトや開発企業を紹介する。

トヨタ自動車株式会社

日本の最大手自動車メーカー「トヨタ自動車株式会社」も空飛ぶ車の分野へ本格参入している。2020年1月には、空飛ぶタクシーを開発する米国のJoby Aviationに3億9,400万米ドル(当時のレート1米ドル109円換算で約430億円)を出資すると発表した。Joby Aviationには、トヨタの生産技術や電動化のノウハウを供与している。

トヨタの技術供与により高品質かつ低コストの空飛ぶ車を開発し車体の量産体制を目指す。

CARTIVATOR(カーティベーター)&株式会社SkyDrive

CARTIVATORは、自動車業界・航空業界およびスタートアップ企業などの若手メンバーを中心とした業務外の有志団体だ。エンジニアやデザイナーを中心としたメンバーによって空飛ぶ車の研究開発や事業活動を進めている。本団体は、2019年より東京海上日動火災保険など多くの企業からスポンサー契約を取り付けた。

すでにCARTIVATORでは、試作機も制作している。試作機のサイズは、世界最小レベルで全長3.6メートル、走行時の全幅1.7メートル、全高1.1メートルだ。株式会社SkyDriveは、2018年7月設立の会社でCARTIVATORの活動と並行して事業活動を進めている。株式会社SkyDriveは、2050年までにインフラ不要の自由な移動を実現し誰もがいつでも空飛ぶ車で移動できる時代を目指している。

目標達成のため、滑走路や道路を必要としない垂直離発着型でコンパクトな空飛ぶ車の開発を進めている。また株式会社SkyDriveは、国土交通省に「空飛ぶ車の型式証明」を申請し2021年10月に日本で初めて受理された。2022年3月には、審査適用基準方針について国土交通省と合意し、事業を開始する予定の2025年までに最終的な型式証明取得を目指す。

テトラ・アビエーション株式会社

「テトラ・アビエーション株式会社」は、2018年6月東京大学より誕生したスタートアップ企業だ。航空力学やデザイン、ソフトウェアなどさまざまな専門分野のメンバーが集まり、東京大学や民間企業の援助を受けつつ開発を進めている。テトラ・アビエーション株式会社の開発した「teTra」は、1人乗りの空飛ぶ車で世界大会「GoFly」の設計段階(2018年6月)で世界の「Disruptor Award」を受賞。

このとき賞金を獲得した日本チームは、テトラ・アビエーション株式会社だけだったという。さらに2019年3月には、フェーズ2も通過。最終選考に進み2020年2月の最終飛行審査では、プラット・アンド・ホイットニー・ディスラプター賞を獲得した。他の各賞は、受賞チームが出なかったため、テトラ・アビエーション株式会社は唯一の受賞チームとなる快挙を成し遂げた。

2020年8月には、JAXA(宇宙航空研究開発機構)その共同研究も開始している。