空飛ぶ車の開発における日本の巻き返しに注目

空飛ぶ車は「電動化」「垂直離発着可能」「無操縦者(自動運転)」の特徴を持つ航空機のことでeVTOL(電動型垂直離着陸機)とも呼ばれる。2025年には、空飛ぶ車は大阪万博での展示や飛行が期待されており、実用段階に入っている。空飛ぶ車の研究開発に後手を踏んでいた日本も2022年現在では、官民一体となって空飛ぶ車の実用化を目指している。

2023年に空飛ぶ車を使った事業がどれだけ開始されるか、これまでの遅れをどこまで巻き返せるかに注目しつつ最新動向をチェックしていきたい。

空飛ぶ車に関するQ&A

Q.空飛ぶ車の特徴は?

A.空飛ぶ車の特徴は「電動化」「垂直離発着可能」「無操縦者(自動運転)」の3つ。空と陸の両方で運転できるものを「空飛ぶ車」と呼ぶ。しかしなかには、地上での走行はできないタイプもある。空飛ぶ車は、航空機やヘリコプターよりも少ない部品でメンテナンスや操作も簡単、操縦士不要のため整備や運航の費用も安く抑えられる点なども特徴に挙げられる。

Q.空飛ぶ車の意義は?

A.代表的な空飛ぶ車の意義は、都市部の渋滞・環境負荷解消や過疎地域や離島の物流・交通手段の確保だ。その他大規模災害の救助活動支援や救急医療・より多量となる物流への対応にも役立つと考えられている。

Q.空飛ぶクルマの課題は?

A.最も大きな課題は、技術面・法律面での安全性確保。また騒音問題や社会の受容性などの問題もある。安全性確保と騒音問題では、今後技術のさらなる進歩が必要だ。また新しい技術に対する反発や不安も予想される課題である。空飛ぶ車に対する社会の受容性を高めるため、実証実験の結果公開や空飛ぶ車の社会的役割についての定期的なアナウンスが必要となるだろう。

Q.空飛ぶ車の分類は?

A.空飛ぶ車は、大きく「ドローンを大きくしたプロペラタイプ」「飛行機のように翼を持つタイプ」の2つに分けられる。

  • プロペラタイプ:垂直離発着のため4対以上のプロペラを持つものが多い
  • 翼を持つタイプ:地上走行時に邪魔にならないよう翼を格納できる機能を備えているケースが多い

Q.空飛ぶ車の実用化はいつ?

A.日本では、2023年より空飛ぶ車を活用したビジネスを展開できるように、国が「空の移動革命に向けたロードマップ」を策定している。2022年時点は、さまざまな実証実験を進めつつ官民で協議をしながら法整備・体制構築など実現に必要な諸問題に対応している状況だ。まずは、モノの輸送からスタートし有人移動の分野にも空飛ぶ車を導入する予定である。

Q.空飛ぶ車の高度は?

A.空飛ぶ車の試験飛行ガイドラインでは、巡航時における最低安全高度は原則150メートルと定められている。Uber AIRのように最高飛行高度が600メートルまで可能な機種もあるが、基本的に航空機やヘリコプターよりは低高度での飛行となるのが特徴だ。

Q.空飛ぶ車のメーカーは?

A.日本国内では、以下のような企業が空飛ぶ車を開発している。

  • 株式会社SkyDrive(愛知県豊田市と連携)
  • テトラ・アビエーション株式会社(東京大学発のベンチャー企業)
  • 株式会社SUBARU(大手自動車メーカー)
  • 株式会社デンソー(大手自動車部品メーカー)など

海外では、以下のような企業が挙げられる。

  • アストンマーティン(英国の高級スポーツ車メーカー)
  • Uber社(米国のライドシェア大手)
  • アウディ(ドイツ大手自動車メーカー)
  • エアバス社(ヨーロッパの大手航空・宇宙企業) など
文・藤森 みすず
食品衛生管理者、情報処理のアプリケーションエンジニア。21年ほどメーカー系SIerにてプログラマー、システムエンジニアを経験。退職後、Webライターとして様々な分野の執筆を行う。一時期、飲食業開業について学んだことがあり、起業関連の情報にも精通。FXなど投資関連も得意とする。

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