株式会社ZUUは2022年8月にWebセミナー「元外資系PB出身者が語る 富裕層が実践している資産ポートフォリオ戦略とは」を開催した。講師はバークレイズやクレディ・スイスでプライベートバンカーとして活躍し、現在はペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社代表取締役を務める山口聰氏だ。本記事では上記セミナーの内容をコンパクトにまとめてお届けする。
超富裕層の資産運用の考え方
超富裕層は資産運用において、どのような考え方を持っているのだろうか。あくまで山口氏の経験則に基づくものだが、以下のポイントが挙げられる。
● 承継した資産、または築いた資産を守りながら、次の世代にどう渡していくかが重要
● 増やすことよりも減らさないことが重要
● インフレに負けないように資産運用は必要
● 「資産を生かす」「資産に働いてもらう」発想で機会利益を重視する
● 全体のバランスとぶれない運用方針を大切にする
● 一喜一憂しない気持ちと資産の余裕を持ち、厳しい局面を好機と考える
「資産いくら以上を超富裕層と呼ぶか」という定量的基準にもよるが、基本的に給与所得だけで超富裕層になるのは難しい。したがって、超富裕層の多くがビジネスオーナーだ。使いきれないほどの資産を持つことも多く、事業承継の必要性もあるため、次の世代にどう承継するかは大きな関心事と言える。
そのため、増やすことより減らさないことを重視する人が多い。「減らさないこと」は「インフレに負けないこと」と言い換えられる。インフレに負けないようにするためには、どうしても「資産に働いてもらう=資産運用」が必要だ。
具体的な運用において、超富裕層が大切にしている共通項は2つある。「さまざまな資産に分散して全体のバランスを保つこと」「ぶれない運用方針を大切にすること」だ。そのため、もし金融危機に見舞われたとしても冷静さを保つことができ、むしろそのような厳しい局面を好機と捉えられる。