カーボンニュートラルの歴史や世界の実情

カーボンニュートラルが世界の潮流になったのは、2015年に採択されたパリ協定がきっかけと言われている。世界中の先進国・途上国が参加したパリ協定は、カーボンニュートラル実現に向けた転換点であり、温室効果ガスの「排出量と吸収量の均衡」が明確な目標として設定された。

その後、世界はどのように動いているのか、主な出来事をピックアップして紹介しよう。

カーボンニュートラルはSDGs達成の手段に

2015年に開催された国連サミットでは、あらゆる環境問題・社会問題を解決する目標として「SDGs」が採択された。SDGsには17のゴールと169のターゲットが設定されており、その中にカーボンニュートラルに関する目標が定められている。

○カーボンニュートラルに関するSDGsの目標
【目標7】エネルギーをみんなに そしてクリーンに
【目標9】産業と技術革新の基盤をつくろう
【目標11】住み続けられるまちづくりを
【目標12】つくる責任 つかう責任
【目標13】気候変動に具体的な対策を
【目標15】陸の豊かさも守ろう

つまり、現在のカーボンニュートラルはSDGsを達成するための手段である。脱炭素社会が最終的なゴールではないため、その先を見据えるためにもSDGsの目標には目を通しておきたい。

カーボンニュートラルが投資家から評価される時代へ

SDGsが採択された影響で、近年では「環境・社会・ガバナンス」を重視するESG投資も広まっている。2021年時点で世界のESG投資残高は35兆ドルを超えており、環境・社会に配慮する企業が投資家から評価される時代になった。

評価機関や各メディアも企業のカーボンニュートラルに注目しており、最近では脱炭素銘柄のランキングやテーマ株などが公開されている。

カーボンニュートラル実現に向けた「脱炭素ドミノ」とは?

カーボンニュートラル実現に向けては、「脱炭素ドミノ」というワードも注目されている。

脱炭素ドミノとは、カーボンニュートラルに対する意識や取り組みが波及し、全国的に広がっていく現象である。環境省は、この脱炭素ドミノを軸とした5年間のロードマップを公開している。

日本はエネルギーの大部分を化石燃料に頼っているため、国の施策だけではカーボンニュートラルの実現が難しい。脱炭素分野で世界をリードするには、自治体や地域住民、地方企業が一体となり、カーボンニュートラルの概念を広げていく必要がある。

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