脱炭素社会に関するQ&A

ここからは、脱炭素社会の基礎知識をQ&A形式でまとめた。具体的な施策を考える前に、まずは基礎知識からしっかりと押さえていこう。

Q1.脱炭素社会はどのような社会?

脱炭素社会とは、CO2(二酸化炭素)の排出量を実質ゼロにした社会である。

CO2排出を抑えるだけの低炭素社会では、現在よりも地球温暖化が進むと言われている。すでに気候変動などの悪影響が出始めたことから、近年ではCO2の排出量と吸収量を等しくするカーボンニュートラルが多方面で求められている。

Q2.脱炭素社会の事例を知りたい

脱炭素の事例としては、ビジネスの省エネ化・省人化や再生可能エネルギーの導入、物流システムのCO2削減などが挙げられる。また、エコカーやエコ家電の購入、公共交通機関の利用など、消費者の努力も脱炭素社会への貢献につながる。

また、日本政府は2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、産業構造を変革する「グリーン成長戦略」を実施している。

Q3.脱炭素社会にデメリットはある?

脱炭素社会のデメリットとしては、エネルギー供給の不安定さが挙げられる。

例えば、洋上風力発電は環境にやさしいが、発電量が風速や風向きに左右されてしまう。また、設備自体が大きいため、広大なスペースを必要とする点も深刻な課題である。

ほかの設備についても、基本的には多額の導入コストやスペースが必要になるため、個人単位または中小企業単位での導入は難しい。

Q4.脱炭素とカーボンニュートラルの違いは?

カーボンニュートラルとは、土壌への吸収や光合成などによってCO2排出量を実質ゼロにすることである。簡単に言えば「CO2排出量=CO2吸収量」の状態であり、これを実現した社会が「脱炭素社会」と呼ばれている。

ゼロカーボンについても、基本的には脱炭素やカーボンニュートラルと同じ意味合いで使われることが多い。

Q5.カーボンニュートラルで何が変わる?

温暖化問題が深刻化すると、気候変動によって生物の多様性が失われたり、健康被害が出たりなどの弊害が生じる。このようなリスクを抑えるために、現代ではカーボンニュートラルの考え方が必要とされている。

また、再生可能エネルギーの導入などに取り組めば、将来的にはコスト削減やイノベーション、新規事業の展開に役立つ可能性がある。

脱炭素社会やカーボンニュートラルは今後も重要なテーマに

現在では世界的に環境問題への関心が強まっているため、脱炭素社会やカーボンニュートラルは今後も重要なテーマになる可能性が高い。ステークホルダーからの評価にも関わるので、どのような企業も早めに施策を打ち出す必要がある。

これまで特に意識してこなかった経営者は、本記事の事例などを参考にしながら中長期的なプランを考えてみよう。

著:片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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