ウクライナ侵攻に関するプーチン大統領の発言録
「90年代にNATOは1インチも拡大しないといったではないか。我々は騙されたのだ」
これは、2021年12月23日の記者会見での発言だ。1990年に米国のベイカー国務長官とゴルバチョフ氏が会談した際に、ベイカー氏が「NATOは1インチも拡大しない」と発言したことを引き合いにした主張であり、現在に至るまで一貫して訴え続けている。NATO側は「文書にはしておらず、法的拘束力はない」と反論している。
「ウクライナは歴史、文化、精神的に譲渡できない不可分の一部だ」
侵攻開始前の2022年2月21日、国民向け演説での発言だ。プーチン大統領のウクライナへの執着がうかがえる。
「ロシア、そして国民を守るには他に方法がなかった」
2月24日、ウクライナへの攻撃開始を宣言する演説での発言である。新ロシア派の組織が占拠しているウクライナ東部でロシア系の住民をウクライナ軍の攻撃から守り、ロシアに対する欧米の脅威に対抗するための戦いとして、侵攻を正当化しようとする狙いがある。
ゼレンスキー大統領の発言録
「皆ここにいて私たちの独立と国を守っている」
2月25日、ロシア軍からの侵攻を受けた首都キーウの大統領府前で首相、軍関係者らに囲まれ、国民に向けたメッセージ動画をSNSに投稿した。アメリカからは再三、国外へ亡命するよう促されていたが頑なに拒否し、国民らを鼓舞した。
「私はここにいる。ここは私たちの土地だ。私たちの祖国。私たちの子供たち。私たちは彼ら全員を守る」
2月26日、再びSNSに動画を投稿し、戦う覚悟を表明した。ゼレンスキー氏は祖国を捨て逃亡したというロシアのフェイクニュース攻撃に対抗するためだ。支持率は90%越えを記録した。
「停戦の用意はない」
旧ソ連からの独立記念日である8月24日に発言し、ロシアが2014年に強制編入したクリミア半島も取り戻すと宣言した。
ウクライナ侵攻に関するQ&A
ウクライナ侵攻はいつから始まった?
2022年2月23日にロシア軍がウクライナへ侵攻を開始した。
ロシアとウクライナ戦争の名前は?
一般的に「ウクライナ侵攻」「ウクライナ危機」「ウクライナ戦争」と称される。
ウクライナ侵攻の影響は?
ロシアは資源大国であり、欧州は天然ガスや石油の供給をロシアに依存している。このため、ガソリン代や電気代の急騰などに影響を及ぼしている。また、ロシアとウクライナ両国は世界有数の穀物生産地であるため、アフリカ諸国を中心に深刻な食糧危機を招いている。
ウクライナ侵攻はいつ終わる?
侵攻が始まる前までは軍の圧倒的な兵力差から、ウクライナの首都・キーウは数日で陥落すると言われていた。だが、アメリカなどからの武器供給をうけるウクライナ軍の徹底抗戦によって戦況は拮抗し、停戦交渉も決裂していて、終結の時期は不透明だ。