シェアリングエコノミーのサービス分野

シェアリングエコノミーの対象となる分野は非常に多岐にわたる。場所や空間に関するサービスから、移動手段、モノなど形があるものから、スキルや労働力など目に見えないものもある。具体的にどのようなサービスがあるのかを紹介する。

シェアリングエコノミー

「場所」や「空間」に関するサービス

空間を提供するシェアリングサービスとしては、例えばシェアオフィスの需要が高い。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、通勤を減らすリモートワークが推奨されていることが追い風となっている。法人や個人で契約できるシェアオフィスや個室デスクなどを日常的に利用する人も珍しくない。

イベントや交流会を開催する際に会場として一時的にスペースを借りる場合や、写真撮影やデートの目的でスペースをレンタルするケースもある。空き家や空き物件の他、廃校となった校舎などを貸し出して、有効活用する例も増えている。

自宅などに旅行者を宿泊させる「民泊」も、場所をシェアする事例として挙げられる。

「移動手段」に関するサービス

自動車や自転車など、移動手段をシェアする事例もある。事前予約や長時間利用が前提となるレンタカーやレンタサイクルに比べて、月額登録などをしておけばいつでも手軽に利用できるカーシェアやシェアサイクルは、短時間利用に適した料金プランも多い。エリア内に複数の拠点があり、借りた場所とは異なる拠点での返却が可能な点も魅力だ。通勤・通学や観光で利用されている。

その他には、キャンピングカーなど特殊な車両のシェアや、クルーザーとスタッフを提供するサービスもある。

「モノ」に関するサービス

服飾品や家電製品、家具などをシェアするサービスも人気だ。着物やドレスなど特別なシチュエーションで着用するものや、モデルルームで短期的に使う家具などとの相性が良い。ベビーベッドやおもちゃ、ベビー服など使用期間が限られている子ども用品のシェアも人気だ。

「スキル」や「労働力」に関するサービス

シェアリングエコノミーの対象になるのは、目に見えるモノだけではない。翻訳やプログラミング、デザインなどのビジネスプロフェッショナルスキルを持つ人が、クラウドソーシングなどを通じて技術を提供することができる。

料理や介護、家事などを代行するサービスやベビーシッターなども、スキルや労働力を提供しシェアする事業に含まれる。

「お金」に関するサービス

プロジェクトなどの資金を募るクラウドファンディングや、必要なときに十分な資金が手元にない場合に先払いで資金調達するサービスなど、お金にまつわるシェア事業もある。スタートアップ企業や中小企業、フリーランスなどの積極的な活動を後押しする方法として注目を集めている。