2022年10月11日から新型コロナウイルス感染拡大による入国制限が緩和され、日本に外国人観光客が大挙して訪れています。目的は観光や円安を利用した買い物で、フィギュアやアニメグッズを求めて秋葉原や中野を訪れる観光客の姿も目立ちます。

そこで本記事では、都心5区にも近く、学生の需要も期待できる中野での不動産投資について考えます。

インバウンドで外国人が訪れる秋葉原と中野

インバウンドで注目が高まる「中野」での不動産投資を考える。都心5区にも近くて便利
(画像=picturecells/stock.adobe.com)

外国人観光客が日本を訪れる目的は大きく分けて「観光」と「買い物」があります。観光では京都や浅草など日本情緒溢れる場所が人気を博す一方、インバウンドと呼ばれる買い物では秋葉原や中野などフィギュアやアニメグッズを扱う店が多いエリアが人気を集めています。

近年海外では日本の漫画やアニメが高い評価を得ており、人気アニメのフィギュアやグッズを求めて外国人のマニアが秋葉原や中野にあるサブカルチャー系の店を訪れている風景がニュースで報道されています。

秋葉原が位置する千代田区は不動産価格が高いため、都心5区以外で穴場的な存在である中野の不動産事情に注目してみましょう。

中野の知名度を全国区にした「中野ブロードウェイ」

それまで比較的地味だった中野の名前を全国区にしたのが「中野ブロードウェイ」です。中野ブロードウェイは、中野駅北口を出るとすぐある中野サンモールというアーケード商店街のなかにあります。サブカルチャー系の店が大挙出店している商業ビルで、中野サンプラザと並ぶ中野のランドマークとして知られています。

中野ブロードウェイは、2~4階にアニメやフィギュアなどを扱うサブカルチャー系の店が軒を連ねており、マニアと呼ばれる人たちには夢のような空間が広がっています。上層階はマンションというフロア構成です。

もう1つの中野の顔である中野サンプラザはコンサートホールとして知名度が高い施設です。コンサートホールの印象が強いですが、結婚式場やホテル、レストラン、ボウリング場、音楽スタジオなどを備えた複合施設で、さまざまな用途に利用できます。

中野サンプラザの隣には中野区役所があり、買い物のついでに役所関係の手続きを済ませられます。駅前に区役所の出張所があるのはよく見かけますが、区役所本体があるのは珍しいのではないでしょうか。

ただし、中野サンプラザと中野区役所は一体で再開発される予定で、中野サンプラザは2023年7月2日に閉館されることになっています。2028年には「中野サンプラザシティ」に生まれ変わり、新しいホールは最大7,000人収容の巨大ホールになるという計画です。完成すれば音楽ファンの話題になることは間違いないでしょう。

再開発された中野セントラルパークが魅力的

北口にある中野区役所の先には「中野セントラルパーク」という中野四季の森公園を中心とした再開発エリアがあります。エリア内に平成帝京大学中野キャンバスと明治大学中野キャンバス、そして早稲田大学中野国際コミュニティプラザがあり、文教都市の趣もあるのが特徴です。

早稲田大学中野国際コミュニティプラザの隣には東京警察病院もありますが、こちらは一般の人も受診することができます。中野ブロードウェイ周辺の路地は道が狭く雑多な印象がありますが、再開発エリアは開放的でゆったり過ごせる雰囲気です。

一方の南口は、丸井があるほかは一般的な駅前の雰囲気で、中野ブロードウェイや中野サンプラザ、中野セントラルパークなどがあって個性的な北口に比べるとそれほど特徴がありません。

交通の利便性が高く都心5区にも近い

中野は交通の利便性が高いことでも知られています。中野区は都心5区の1つ新宿区と隣り合わせており、JR中央線快速を利用すれば中野から新宿まで5分でアクセスできます。さらに終点の東京までは同じく快速に乗ると18分で到着するので、千代田区へのアクセスも便利です。途中には学生街を擁する水道橋や御茶ノ水もあり、中野は通勤・通学・レジャーいずれの目的でも便利な立地といえます。

また、東京メトロ東西線を利用すると日本橋や茅場町など中央区にも直通でアクセスできます。しかも中野が始発駅であるため、座って通勤できる可能性が高いのも会社員にとっては大きな魅力といえるでしょう。

一方で新宿と反対方面に目を向けると、高円寺が隣接駅であるほか、人気タウンの吉祥寺にもJR中央線を利用して10分でアクセスできます。沿線にはほかにも荻窪、三鷹、武蔵小金井、国分寺、八王子などがあり、JR中央線沿線の文化的な雰囲気が好きな人が住むには中野は最適な立地といえそうです。

中野の賃料利回り水準は?

中野の賃料利回りはどれくらいの水準にあるのでしょうか。マンション情報サイト「マンションレビュー」の調査によると、駅名に中野が付くエリアの賃料利回りは、新中野(東京メトロ丸ノ内線)4.8%、中野(JR中央・総武線、東京メトロ東西線)4.7%、東中野(JR中央・総武線、都営大江戸線)4.7%、中野坂上(東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線)4.7%、中野富士見町(東京メトロ丸ノ内線)4.7%、中野新橋(東京メトロ丸ノ内線)4.6%とほぼ同じ水準になっています。

一般財団法人日本不動産経済研究所の「第46回不動産投資家調査(2022年4月現在)」によると、東京都内の賃貸住宅一棟の取引利回りは3.7~4.0%ですので、中野の賃料利回りの水準は高いと考えてよいでしょう。

中野区のマンション価格相場は?

不動産サイト「HowMaマガジン」の調べによる「東京23区マンション相場価格ランキング(2021年12月時点)」によると、中野区のマンション相場価格は4,518~6,513万円で23区中12位にあたります。隣り合わせる新宿区の相場価格5,177~7,809万円と比べると上限額はかなり低くなっています。

先に紹介したように中野から新宿までは快速を使って5分で着くので、中野に大きな百貨店や映画館がなくても新宿に出れば事足ります。新宿と利便性に大差がないことを考えると、中野の物件価格相場は割安と判断することができるでしょう。

学生が多くワンルームマンションの需要が期待できる

中野駅北口の中野セントラルパークには2つの大学と1つの大学関連施設があり、中野は学生街の顔も持っています。大学が多いエリアはターゲットを絞りやすいため、不動産投資には有利といわれています。サブカルチャー好きの単身者と併せ、ワンルームマンションの需要はかなり期待できるのではないでしょうか。

また、学生が増えてくると物価が安くなるというメリットがあります。中野駅周辺の飲食店も単身者が気軽に入れる庶民的な店が多く、高級店はあまり見かけない印象です。学生が住みやすい街であれば一般の人にも住みやすい街である可能性が高いといえます。

外国人観光客が戻ってきたとはいえ、コロナウイルス感染症拡大前の水準にはいまだに戻っていません。これは外国人観光客の中心である中国人が政府の行っているゼロコロナ政策の影響で戻ってきていないことが響いています。ただ、外国人観光客が最盛期の3,000万人規模に回復すれば中野駅周辺も一段と活況を呈することになるでしょう。

これから2028年の中野サンプラザシティの完成を目指して、折に触れ中野の話題がマスコミを賑わしそうです。中野の人気がさらに上昇すれば、不動産の資産価値向上も期待できます。北口駅前再開発やインバウンドの本格回復を先取りする形で中野の不動産購入を検討してみるのも面白いのではないでしょうか。

(提供:Incomepress



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