2020年3月から商用サービスの提供が始まった5Gだが、2022年以降に商用利用が本格化するとされている。5Gの普及によって、どんなことが可能になるのか。
目次
そもそも5Gとは
まず、5Gの概要について説明する。
5Gの意味は?
5Gは日本語で「第5世代移動通信システム」といい、「G」は「Generation(世代)」の頭文字だ。
モバイル通信を可能にするため、1980年代に最初に登場した通信規格が1G(1st Generation:第1世代)で、5Gは1Gから数えて5番目の通信規格ということになる。
5Gの3つの特徴
5Gの特徴は「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」の3つだ。
1.高速・大容量
データ通信の速度を表す単位には「Gbps」が使われている。Gbpsは「Giga bits per second」の略で、「毎秒#### ギガビット」と読む。ビットは情報量の最小単位で、ギガは10億を意味する。5Gの最大通信速度は20Gbpsで、これは4Gの10倍以上に相当する。
これがどれほどの速さかといえば、「2時間の映画を3秒でダウンロードできる」と例えられるほどだ。
2.低遅延
情報を伝達する際に処理が追いつかず生じるタイムラグを遅延といい、5Gはこのタイムラグが短い。
4Gの伝達遅延は0.01秒だったが、5Gは0.001秒と4Gの10分の1に短縮した。自動運転や遠隔医療といった分野はタイムラグが命とりになりかねないため、5Gの低遅延によりさらに普及することが期待されている。
3.多数同時接続
5Gの特徴の3つ目は、多数同時接続だ。
これは1台の基地局が同時に接続できる端末数が飛躍的に増えることを意味する。4Gの同時接続数は1平方キロメートルあたり10万台だったが、5Gでは1平方キロメートルあたり100万台と、10倍になった。
5Gの多数同時接続により、スタジアムやコンサート会場など人が密集する場所でも、安定した通信を確保できるといったメリットがある。