人口減少、少子高齢化によって、地方の会社における経営環境は厳しさを増す一方だ。しかし、そのような会社のなかで、本当に廃業しなければならないケースはどのくらいあるのだろうか。
「若者がおらず、後継者にふさわしい人材が見つからない」「売上が下がり続けているので廃業を考えている」という会社であれば、廃業を決意する前に、その解決策をチェックしてみよう。
目次
会社の廃業手続きとは
会社を廃業するには、会社法に定められた解散や清算の手続きが必要だ。具体的には、法律上の解散事由を満たして解散の登記を行い、債権者への返済手続きを行った後、最終的に清算結了の登記をすれば、会社の廃業手続きは完了する。
取引先等と揉めることが特になければ、想像以上にあっけなく会社を廃業できるケースは少なくない。
しかし、本当に廃業してしまってよいのだろうか。
会社を廃業する前に
2014年の中小企業白書に、気になるアンケート結果が掲載されている。廃業した中小企業者や小規模企業者に対し、廃業を回避できる可能性があった取り組みはないかを尋ねたものだ。
回答数444のうち、約4割が「どのような取り組みをしても、廃業は避けられなかった」と回答したが、残りの過半数は、何らかの取り組みを選択している。選択された取り組みについてはバラつきが見られるものの、もっとも多く選ばれた取り組みは「早期の事業承継への取り組み」であり、次いで「新事業への取り組み」「販路拡大への取り組み」であった。
もちろん、経営者の高齢化や人口減少、需要の変化などによる経営環境の悪化という流れの中、廃業が避けられなかったケースは必ずあるだろう。 しかし気になるのは、取り組み次第で回避できたと考えている経営者が半数以上も存在することだ。
廃業を避けられる道があったのであれば、その取り組みをしないまま廃業してしまうことは、やはり後悔に残るのではないだろうか。会社を廃業してから後悔することがないよう、解決策がないか、廃業前に検討を尽くすべきである。
(参考)2014年版中小企業白書