60代になってから資産運用を始めるなら、比較的リスクが高い個別株投資を行うよりは、「投資信託」を検討したいところ。少額からでも分散投資が実践しやすいため、リスクを抑えつつ上手に資産運用できる可能性が高まるからだ。そんな投資信託の基礎的用語をクイズ形式で学んでいこう。
投資信託の目論見書などを理解するために
投資信託には数多くの商品が存在する。そのため、どの投資信託を選ぶかを決める場合、投資信託を販売している銀行や証券会社のWebサイトや、投資信託の投資対象や運用実績などについて記載された「目論見書 (もくろみしょ) 」に目を通す必要がある。
こうしたときに投資信託についての基礎知識を有していなければ、どの投資信託を選ぶべきかの判断がしにくくなる。この記事では投資信託に関する基礎的単語として「ノーロード」「為替ヘッジ」「レバレッジ」の3つについて解説していこう。
投資信託の基礎用語1「ノーロード」
●「ノーロード」とはどういう意味 ?
ノーロードとは、投資信託の購入時にかかる販売手数料 (購入時手数料) が無料であることを指す。ノーロードは英語で「no-load」と書き、loadは「投資信託の販売手数料」を指すことから、こうした意味となる。ノーロードである投資信託のことを「ノーロード投資信託」「ノーロードファンド」などと呼ぶ。
●ノーロード投資信託の注意点
投資信託にはいくつか注意点がある。例えば、投資信託を販売する金融機関 (銀行や証券会社) によって、同一の投資信託でもノーロードの場合と、販売手数料がかかる場合がある。
その理由は、販売会社側は販売手数料を一定程度自由に決めることが可能だからだ。販売手数料は「購入する額の何%」というようにパーセンテージで決められており、同じ投資信託でも取り扱う金融機関によって、販売手数料が0%の場合もあれば、2%の場合もある。
ほかにも注意点がある。投資信託の取引コストは販売手数料だけではないという点だ。投資信託を運用中は一部の投資信託を除き、運用管理費用として「信託報酬」が発生する。投資信託を解約する際に手数料が差し引かれるケースもある。こうした情報は目論見書に記載されているため、必ず目を通しておこう。
●ノーロード投資信託が向いている人は ?
ノーロード投資信託は、投資信託に投資するための初期コストを抑えたい人に特に向いている。もちろんノーロード投資信託の中にも様々な商品があるため、購入時には総合的に判断することが大切だ。
投資信託の基礎用語2「為替ヘッジ」
●「為替ヘッジあり」の投資信託と、「為替ヘッジなし」の投資信託では、どんな違いがある ?
「為替ヘッジあり」の投資信託は為替レートの変動による影響が小さく抑えられている。一方、「為替ヘッジなし」は為替レートの変動の影響を受けるタイプの投資信託となっている。
そのため、外国株式や外国債券に投資している投資信託を検討する際は、当然ながら為替ヘッジの有無は重要な判断要素となってくる。例えば、アメリカの主要な株価指数である「S&P500」と連動する成果を目指す「NEXT FUNDS S&P500指数」には、以下の2種類が存在する。
・ NEXT FUNDS S&P500指数 (為替ヘッジあり)
・ NEXT FUNDS S&P500指数 (為替ヘッジなし)
●為替ヘッジと円安・円高
今後、円高が進むと見込むのなら「為替ヘッジあり」の投資信託を購入するのがおすすめだ。
ここでは詳しい説明は省くが、例えば為替レートが円高・ドル安になると、米国株式や米国債券で運用している投資信託の価値が下がるからだ。為替ヘッジありにしていれば、こうした為替レートの変動による価値の目減りを最小限に抑えることができる。ただし、為替ヘッジありの商品には、為替変動の影響を低減するための「ヘッジコスト」という費用がかかることを知っておこう。
反対に、円安が進むと見込む場合は「為替ヘッジなし」の投資信託を選ぶのがセオリーだ。
投資信託の基礎用語3「レバレッジ」
●「レバレッジ」とはどういう意味 ?
レバレッジとは日本語で「てこ」という意味だ。「レバレッジ投資信託」は、ベンチマークとしている指数 (連動成果を目指す指数のこと) の一定倍率の値動きに連動することを目指す投資信託のことを指す。例えば、S&P500の3倍の値動きに連動することを目指す投資信託の場合、基本的にはS&P500が1%高となると3%高になると考えてよい。
●レバレッジ投資信託のメリットとデメリット
レバレッジ投資信託は、ベンチマークとしている指数が上昇したときは大きな利益につながるが、下落した場合は大きな損失につながる。先ほど紹介したような3倍型のレバレッジ投資信託の場合、S&P500が2%安となった場合は6%安となるからだ。
つまり、レバレッジ投資信託はハイリスクハイリターンの投資対象であり、リスクを抱えにくい60~70代には注意が必要な投資商品であると言える。
ポートフォリオの一部として投資信託を検討してみては ?
この記事では投資信託の基礎的単語について解説してきた。投資信託についての理解を含め、より資産運用が堅実なものとなるよう努めよう。
また、個別株よりも比較的リスクが低い商品は、何も投資信託に限らない。投資信託は、あくまでポートフォリオの一部として検討してみてはいかがだろうか。
(提供:大和ネクスト銀行)
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