人手不足やコロナ禍などの影響により、大手や中堅企業に比べて、小さい会社の人材雇用はさらに厳しくなっている。求職者の価値観や求職活動の方法が変わる中で、人材採用活動の進め方に迷っている経営者も少なくないだろう。本記事では、小さい会社の人材採用が難しい理由や、小さい会社だからこそアピールすべき情報、採用活動の具体的な取り組み方などについて解説する。
小さい会社の人材採用が難しい理由4つ
小さい会社の人材採用が大手や中堅企業に比べて難しい理由は、大きく4つある。
1.労働力人口が減って売り手市場になっている
日本は少子高齢化が進んでおり、労働力人口の減少が続いているため、求職者に対して採用側の企業数が多い「売り手市場」の状況だ。
『中小企業白書・小規模企業白書(2022年版)』によると、中小企業の人手不足は依然として深刻な状態が続いており、コロナ禍以降はさらに状態が悪化している。
リーマンショックやコロナ禍などの外部環境が悪化した時には、小さい会社ほど人材の雇用が難しい状態になりやすく、人が減り続ける中では満足のいく採用活動ができる企業は限られるだろう。
2.自社のことを知らない人が多い
自社の事業内容や魅力はもちろん、会社の存在自体を知らない人が多いため、そもそも求人への応募がないという会社も少なくない。
小さい会社は、大手企業に比べて自社の宣伝などを行う広報力が劣る傾向にある。SNSの普及などもあって訴求する手段は増えているが、広報に費やすリソースが限られているため、効果的な宣伝を継続することが難しいのが理由の一つだ。
3.就職や転職することに対する不安やリスク
就職や転職において、求職者は企業の経営安定性を少なからず意識する傾向にあり、小さい会社で働くことにリスクを感じることも少なくない。福利厚生の充実度はもちろん、スキルアップなどの育成面や将来的なキャリア形成に対する不安が、小さい会社を敬遠する理由の一つであり、採用活動を困難にしている。
4.人材獲得のためのノウハウがない
小さい会社ほど採用活動の経験が少ないこともあり、そもそも人材獲得をするためのノウハウが蓄積されていないという課題もある。自社が欲しい人材に求人への応募を促す方法はもちろん、応募者の中から必要な人材を見極める採用試験の実施にも苦慮している。