小さい会社の人材採用で取り組むべきこと

小さい会社は採用活動にかけられるリソースが限られており、ノウハウの蓄積も少ない。だからこそ、人材採用活動はポイントを絞りながら効果的に活動することが求められる。

ここでは、小さい会社だからこそ取り組むべき採用活動のポイントについて紹介する。

(1)企業自体のブランディング活動

自社の知名度を向上させるためのブランディグ活動は、採用活動の一環としても重要である。

自社ウェブサイトの作成やアピールすべき情報の掲載、ターゲットとなる年齢層が利用しているTwitterやInstagramなどのSNSやYoutubeなどでの情報発信は、比較的取り組みやすい活動だろう。

地方企業の場合は、地域経済誌への掲載やテレビ取材などが知名度の向上につながりやすい。また、自社の経営活動や商品、サービス、社員の育成制度などの紹介に「PRTIMES」のようなプレスリリースサービスを活用するのも有効だ。

(2)経営者が採用活動の前線に立つ

小さい会社だからこそ、採用活動の前線に経営者が立つことも大切だ。採用面接に参加するというだけでなく、自社の将来展望にあわせた採用方針をしっかりと示し、ブランディング活動に自ら参加して社員を牽引しなければならない。

経営者が求職者の目に触れる機会が増えることで、会社に対する知名度や信頼感の向上にもつながるだろう。

(3)リファラル採用制度を導入する

小さい会社では、自社の求人応募情報や求人サービスからの応募を待っているだけでは、なかなか求める人材が応募してこないという課題がある。そのため、リファラル採用制度を導入することも効果的だ。

リファラル採用とは、自社の業務内容や社風などに詳しい社員が、友人や知人などの中から自社とマッチ度の高い人材に就職や転職のアプローチをする採用方法ことである。縁故採用と違って社員が自社にマッチする人材を選定し、紹介を受けたり採用につながったりした際に、社員に報酬を給与報酬の一環として支払うのが一般的だ。

(4)採用目標に合わせた求人サービスの選定

採用活動のノウハウがない小さい会社は、自社の採用目標に合わせた求人サービスの利用も欠かせない

中小企業の採用活動では、求人票をハローワークや無料の求人サービスで掲載し、応募を待つのが一般的である。しかし、小さい会社では求める人材が応募してくることは少ないだろう。応募者が自社に必要な人材からほど遠ければ、育成コストがかかるのはもちろん、他の社員の負担が増えて収益に悪影響を与える事態にもなりかねない。

採用後も含めたトータルコストを見極めた上で、就職エージェントや転職エージェント、サービス登録者へのスカウトが可能なダイレクトリクルーティングなどの求人サービス活用も検討すべきだ。

(5)就職フェアや転職フェアなどに積極的に参加する

求人サービス企業や各自治体が行っている、就職フェアや転職フェアへの参加も検討してほしい。

小さい会社の場合、自社で会社説明会を行ってもそもそも応募が少ない可能性が高い。そのため、求職者向けのイベントに積極的に参加して会社の知名度を向上させたり求職者との接触機会を増やしたりすることが肝要だ。

もちろん、フェアに参加するだけでは興味を持ってもらえるとは限らず、ブースへの来訪者がいないという現実と直面するかもしれない。だからこそ、求職者にアピールすべき情報の精査や、自社で働くメリットをわかりやすく伝える準備が欠かせないだろう。

(6)大学などへの訪問活動やインターンシップの実施

新卒採用を行う小さい会社ならば、大学や高校などへの訪問活動やインターンシップの実施も効果的だ。

学校訪問によって自社の求人情報などを掲示板に掲載してもらったり、説明会の開催を依頼したりすることで、会社の知名度向上や学生との接触機会の増加につながるだろう。

また、社員への負担が少ない範囲で短期間のインターンシップの実施も視野に入れるなど、学生と接触する機会を増やし、会社はもちろんだが仕事そのものに興味を持ってもらうことも大切だ。