この記事は2023年2月2日に「月刊暗号資産」で公開された「アラメダ、ボイジャー・デジタルに対して500億円超の返還を求め訴訟」を一部編集し、転載したものです。


FTX
(画像=24K-Production/stock.adobe.com)

昨年破綻したアラメダ・リサーチ(Arameda Research)が先月30日、暗号資産(仮想通貨)レンディング企業ボイジャー・デジタル(Voyager Digital)に対し、4億4580万ドル(約572億円)の返還を求めて訴訟した。

ボイジャー・デジタルは昨年7月にチャプター11(米連邦破産法第11条)を申請しており、破綻後にはアラメダ・リサーチおよびFTX等に対して、貸し付けていたローン債権の回収を要求。その後、アラメダ・リサーチは破綻する以前にボイジャー・デジタルに対して全額を返済した。

しかし、この返済のタイミングでボイジャー・デジタルが貸し付けていたローンについて、一部は満期を迎えていなかったという。また、アラメダ・リサーチがボイジャー・デジタルに対し返済した時期が破綻申請から90日以内であることから、破産法第503条および第507条に従い、管理上の優先順位に基づいて回収可能だと主張した。

ボイジャー・デジタルへの返済を優先したことにより、アラメダ・リサーチの債権者が得られる資産は減少している状況だ。こうした状況を踏まえ、アラメダ・リサーチは回収した資金を債権者への返済に充てるとしている。

また、アラメダ・リサーチの弁護士は「ボイジャー・デジタルのビジネスモデルは、偽りのファンドそのものであった。個人投資家から資金を募って、集まった資金をデューデリジェンス等行わずにスリーアローズキャピタル(​​Three Arrows Capital)のような暗号資産投資ファンド等に投資を行っていた」と述べ批判した。

さらに、アラメダ・リサーチがFTXの顧客資産を不正に流用していた疑惑があるとした上で、「ボイジャー・デジタルのような暗号資産レンディング企業による行いが様々な不正行為を助長させた」と続けている。

ボイジャー・デジタルについては、昨年12月に暗号資産取引所バイナンス(Binance)の米国法人であるバイナンスUSが10億2200万ドル(約1,285億円)で落札している。

一時はバイナンスUSがボイジャー・デジタルの買収および運営能力を有していないとして、米SEC(証券取引委員会)や複数の州などが異議を唱えていた。その後、ニューヨーク南部地区裁判所はこれらの課題について問題がないと判断し、買収に向けた動きは進展している。(提供:月刊暗号資産