本記事は、Dr.ヒロ氏の著書『思い通りに人を動かすヤバい話し方』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

天才的褒め上手になる方法

天才的褒め上手になる方法
(画像=vpardi/stock.adobe.com)

「褒める」は、カウンターで打つのが一番効く

「褒めるのがいいのはわかったけど、どう褒めていいかわからない」
「最初の一歩が踏み出せない」

と思った方もいますよね。

そこで、誰にでも使える効果抜群で、使うだけであなたの評価を高める褒め言葉を3つ紹介しておきます。

ただ、1つだけお願いがあります。僕と会ったことがあったり、今後会うことがあったりした時に、僕にこの言葉を使われても「どーせ思ってもいないんだろ?」とか思わないでください(笑)。

・天才!
・頭いいですね!
・絶対成功するよ!

この3つの言葉は本当に便利です。3つだけで全人類の自尊心を満たせると言っても過言ではありません。

相手が自分自身をそう思ってなくても大丈夫です。例えば、「頭いいよね」と言って「いや、俺は頭悪いよ。学校の成績も良くなかったし」とか返されても大丈夫、むしろチャンスです。

「学校の成績なんか関係ないでしょ。実際話をしていて頭いいと思ったから、やっぱ〇〇(名前)は頭いいんだよ。俺は前から思ってたよ」

こんな感じで返せばまさにボクシングのカウンターのように効いて、通常の褒め言葉以上に相手を気持ち良くさせられます。

「俺のことをそんなふうに見てくれているのか」「こいつには敵わないな」こう思ってもらえること間違いなしです。

明らかに「バカだなあ」と思うことがあっても、「〇〇はやっぱ天才だな」と言いましょう。決してバカにしようと言っているわけではありません。「バカだな」と思う時は、相手の行動が自分の理解を超えている時です。もしかしたら、本当にあなたが気づいていないだけでその人は天才かもしれないのです。

もし仮に本当にその人がバカだったとしても、バカにバカと言ったところで恨みを買うだけです。誰かをバカにすることで、あなたのことを「賢くて立派だ」なんて思ってくれる人はいません。

後輩がどうしようもないミスをした時には、

「〇〇は大物だなー。将来は絶対成功するよ」

こう言いましょう。1ミリもそう思ってなくて結構です。

ピグマリオン効果

「そんな甘やかしたら後輩が育たない」と思いますか?実は逆です。

ピグマリオン効果という心理効果をご存じでしょうか。

ピグマリオンは、ギリシャ神話に登場するキプロスの王様です。彼は王様であると同時に彫刻の名人でした。ある日、自らが象牙で作った女性の像に恋をしてしまい「これが本当の人間であったら」と願うようになりました。これを見かねた愛の女神アフロディーテが彫像に命を与えて人間にした、というお話があります。

この神話が転じて、「期待し続けることで良い成果が生み出される現象」をピグマリオン効果と呼ぶようになりました。ピグマリオン効果は単なる迷信ではなく、心理学者のローゼンタールによって実証されています。

ある学校で、生徒をランダムに2つのグループAとBに分けました。教師には「集団Aは成績が伸びやすい生徒を集めています」という嘘の情報を伝えます。そうして指導をした結果、ランダムに分けたはずの集団Aは、集団Bに比べて成績の伸びが良かった、という結果になりました。

ローゼンタールの論文によると、(1)学級担任が期待を持って生徒と接したこと、(2)生徒が期待されていることを意識したこと、という2つの要因が成績の向上につながったと報告されています。

ピグマリオン効果については「期待を押しつけてしまうと逆効果になる」などの注意点もありますが、「相手の主体性を損なわない範囲での期待はパフォーマンスの向上に効果がある」と言われています。

つまり、部下や後輩に対しても、やる気を損なわない範囲でその気にさせることはパフォーマンスの向上が期待できます。

ちなみにここまで話しといてなんですが、一言で表すと「豚もおだてりゃ木に登る」という言葉になります。

言っていることはほぼ同じなのですが、人にマネジメントを教える時などは、ピグマリオン効果の話をしたほうがそれっぽく聞こえて受け入れられやすいです。

「褒めてばかりいたらダメになる」は嘘

さて、話を戻します。

部下や後輩がミスをした時には1ミリもそう思ってなくて結構ですので、「〇〇は大物だなー。絶対成功するよ」と言ってください。

もちろん本人がミスに気づいていない場合は教えてあげる必要がありますが、本人に自覚があるなら責める必要はありません。責めなくとも人は勝手に反省します。上司や先輩が思っている以上に、部下は意外と自分で反省しているものです。

「いやいや、うちの部下はどっからどう見ても反省してないんだよ!」と思いましたか? ご安心ください。きっと、あなたが多数派です。僕もマルチ商法をしている時、「この人は全然反省しないな」と思ったことが何度もあります。

しかし、そこで怒って事態が改善したことは一度もありません。短期的に見れば怒った直後は行動が改まることもありますが、すぐに戻ります。そしてまた怒る。これを繰り返していると部下との関係性は崩壊します。

「なにやってんだよ! こんなこともできないのかよ」なんて言ってしまった日には、後輩のプライドはボロボロになり、立ち直れなくなるかもしれません。少なくとも、確実にあなたのことが嫌いになります。

「怒る」という手段は幼稚園児でもできるくらい簡単ですが、怒って解決することなんてほとんどないのです。楽して事態を好転させようとしても、そう都合良くはいきません。

逆に、期待を寄せることは難しいですが、長い目で見ると効果的です。上司や先輩がやるべきは、その後輩が「次こそは」とすぐに前を向いて進めるように励ますことです。

「君は成功するよ」と言ってあげれば、後輩はその先輩を好きになり、器の大きさに憧れを抱くかもしれません。「尊敬する先輩のためにも、今度はつまらないミスはしないぞ」と思ったり、ひょっとしたら自信をつけて本当にそのうち成功することだって考えられます。そうなったらあなたは恩人として感謝されるかもしれません。

褒めてダメになる人はいません。もしあるとしたら、褒める側の態度やほかの指導に問題があるだけです。「褒めてばかりいたらダメになる」という言葉は、褒める度量のない人が、短気な自分を正当化するために作った妄言なんじゃないかと僕は思っています。

僕が今までの人生から見出した教訓をシェアしておきます。

思ったことをそのまま口に出すと嫌われます。
思ってもない褒め言葉を口に出すと好かれます。

思い通りに人を動かすヤバい話し方
Dr.ヒロ
洗脳系YouTuber。
YouTubeチャンネル「Dr.ヒロの実験室」を運営。
早稲田大学政治経済学部卒。大学4年生の時に「経済セミナーがある」と言われてマルチ商法の勧誘を受け、以来6年間どっぷりハマる。日々の活動を行いながらセールスや洗脳のノウハウを実践。4年目にトップセールスになり、月収7桁を突破。以降トップセールスを維持し続け年収8桁を達成する。
しかしマルチ商法を引退してからは一転して貧乏に陥る。破産寸前の中YouTubeを始め、マルチ商法や洗脳などについて発信。SNSフォロワー0の状態から1年半でチャンネル登録13万人を突破。審査基準が厳格なVoicyでもパーソナリティを務める。

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