ウイスキー投資の種類とメリット・デメリット

whiskeen
(画像=「whiskeen」より引用)

一口にウイスキー投資といっても、手法はボトルから樽単位まで、さまざまです。
ここでは、主なウイスキー投資の方法3種類と、それぞれのメリット・デメリットについてわかりやすくご紹介します。

ウイスキーボトルへの投資

ウイスキー投資を調べると、始めに出てくるのがウイスキーボトルへの投資でしょう。
ボトル詰めされた状態のウイスキーを購入し、購入金額よりも高い値段で売って利益を出す方法です。
仕入れは、酒屋やネット通販、オークションなどで行います。
売却するときは、オークションサイトやフリマサイトで売りに出すのが一般的です。

メリット

  • 長期保存がしやすい
  • 少額で始めやすい

ウイスキーボトルへの投資メリットは、長期保存しやすい点にあります。
通常、食品や飲料には賞味期限・消費期限があり、投資対象には向きません。
一方、ウイスキーには賞味期限がなく、保存環境に気をつければ長期保管が可能です。
そのため、値上がりするタイミングをじっくり待てるのです。

また、ボトル1本から投資ができる点もメリットです。
他の方法に比べると、投資一口あたりの価格が抑えられるため、ハードルが低いといえます。
ウイスキーボトル自体は数千円〜数万円程度の金額で購入可能です。
手元にまとまったお金がなくても、ウイスキー投資をはじめられます。

デメリット

  • 値上がりの見極めが難しい
  • 人気銘柄の入手は困難なこともある
  • 繰り返しの売却は免許が必要になる
  • ボトル単体ごとに酒税(税金)がかかる
  • 保管に注意が必要

ウイスキーボトルへの投資で難しい点は、値上がりを見極めることでしょう。
人気の銘柄を知っていたとしても、なるべく低価格で購入し、高い値段で売らなければ利益は出ません。
価格推移や需要がどれだけあるかを見抜くのは、困難です。

ウイスキーボトル投資をする際は、売却時にも注意が必要です。
酒類を繰り返し売却する場合は、個人での転売とみなされ酒販免許が必要です。
免許がない状態で販売を繰り返すと、酒税法違反と判断される可能性もあるので注意しましょう。

さらに、購入したウイスキーの保管にも注意が必要です。
ウイスキーは光や熱に弱く、空気に触れると香りやアルコールが飛んでしまいます。
品質が劣化したウイスキーを売却することはクレームにつながり、投資の継続が難しくなりますので、気をつけましょう。

ウイスキー投資信託(ウイスキーファンド)

ウイスキーを直接購入するのではなく、投資会社に代わりに売買をしてもらうのがウイスキー投資信託(ウイスキーファンド)です。
投資信託会社で投資口座を開設し、その口座からウイスキー売買の申し込みます。
実際の売買は投資信託会社が代行して行れることが基本であり、取引や売買の手数料、ウイスキーの保管費用がかかることがほとんどです。

メリット

  • 売買を自分で行う必要がない
  • 保管をプロに任せられる

ウイスキー投資信託の注目すべきメリットは、売買を代行してくれることです。
自分で売却をするとなると、オークションサイトに商品登録するなど自分で買い手を探す必要がありますが、投資信託なら売却の申請をするだけでOK。
余計な手間がかからず、手軽です。

また、ウイスキー原酒は製造した蒸留所で保管されるため、自分で保管設備を用意する必要もありません。
プロによる品質管理なので、劣化によって売却できなくなるリスクがありません。
24時間取引が可能で、熟成期間を待たずに売却できるため、短期投資も可能です。

デメリット

売買や保管の手間がかからないのが良い点ですが、その分、ウイスキーに投資をしているという実感が乏しくなるのがデメリットです。
ウイスキーの現物は手元に届かず、製造された原酒のうち「〇〇L分の権利」を購入するので、目に見える「もの」としての資産が手に入るわけではありません。
一般的な株と似たようなイメージです。

後述するウイスキー樽の投資では、自分が投資したウイスキーを飲めますが、投資信託では飲めません。
気に入った銘柄のウイスキーに投資をするというより、利回りなどの数字ベースで投資をしたい方向けの投資です。

ウイスキー樽(カスク)投資

ウイスキー樽(カスク)投資は投資信託と同じように原酒を購入する投資手法ですが、樽(カスク)単位で購入します。
購入時から熟成を経ることで原酒の価値が上がり、売却することで利益が得られる仕組みです。
個人で直接、蒸留所から原酒の樽を購入することは難しいため、投資会社を通します。

メリット

  • ウイスキー樽まるごと1つ自分のもの
  • 保管を政府認可のプロに任せられる
  • 保有中の税金がかからない(ボトル投資と比較時)

ウイスキー樽への投資の一番の魅力は、なんといってもウイスキーの樽がまるごと1つ自分のものになることでしょう。
ウイスキー樽の保管は、プロにより適切に管理された英国政府認可の保管倉庫で行われるので、安心して熟成を待てます。

お気に入りの銘柄や憧れの銘柄の樽オーナーになれ、熟成を見守れることは、投資の利益以上にワクワクする経験かもしれませんね。

さらに注目すべきは、ボトル投資と比較した時に生じる税金発生の有無です。
ウイスキーボトル取引の場合、ボトル単体に酒税がかかりますが、樽投資による取引の場合は税務署より認可を得た保税倉庫(保税蔵置場)と呼ばれる専用倉庫への保管となるため、保有中は税金がかかりません。

デメリット

  • 購入金額が高額になる可能性がある
  • 銘柄選びが個人では難しいことも

デメリットとしては、購入金額が高額になる可能性があることです。
ウイスキー樽(カスク)投資は樽単位の投資になるため、約50万円〜数百万円の金額になることもあります。
投資会社にはさまざまな樽の取り扱いがありますから、自身の予算に見合ったものを選びましょう。

また、どの銘柄にすればいいか判断が難しいこともあります。
前述の通り、将来どれくらい値上がりする可能性があるのかを個人で分析するのは困難です。
投資会社には過去の取引実績のデータがあるため、銘柄選びもプロに相談するのがよいでしょう。