現在の「and the line」ができるまで
「and the line」が開店した2022年2月当初は、雇った店長にお店を任せて、西山さんはオーナー業に徹していたそうです。
「and the line」が開店して、現在に至るまでの経緯を伺いました。
「and the line」の成り立ち
西山 お店を造ったのは内装デザインがしたかったからで、実はBarじゃなくてもよかったんです。
立ち上げたデザイン会社でスペースデザインをしたくて、7年目にようやく資金が貯まって。
そのときBarにしようと決めたのは、Barを持ちたいという人と出会ったからです。
その人は僕が客として行ったお店のスタッフで、彼はコミュニケーション能力がめちゃくちゃ高かったんです。
彼はお店を出したいと言っていて、ちょうど僕は内装をデザインする資金が貯まった状態でした。
彼に「店長をやってくれるなら、僕がデザインしてお金も出す」「利益が貯まって設備費用を回収できたら、お店をあげる」と言って、雇ったんです。
彼が店長だったころは、僕はオーナー業だけをやっていました。
若いお客様が多くて、ヒップホップを流して踊ったり、テキーラを飲んだり。
この辺りは落ち着いた大人のお客様が多いので、「何か違う」と帰っていかれる方もいました。
僕は、お店の雰囲気とアンマッチかなと思いつつも、売り上げは出ていたので、オーナーとして黙認していました。
そのうち、遅刻が続いたりバイトの子が辞めたりスムーズにお店が回らなくなって、彼は半年ほどで辞めてしまったんです。
前店長が辞めた後はオーナーが店長に
西山 前店長が辞めてから、僕がオーナー兼店長で店に入りました。
まず、お酒の品ぞろえを見直して、3種類しかなかったウイスキーを増やしました。
Barってこれぐらいあるだろう、というイメージで、ジンやラムも種類を増やして。BGMも変えて以前より落ち着いた雰囲気にしました。
少しずつ客層も変わって、以前はすぐに帰ってしまったお客様が来てくれるようにもなりました。
ただ、僕はバーカウンターに立ったことがなくて。学生時代にダーツバーで働いたことはあるんですが、シェーカーを振った経験はないんです。
お酒もそれほど知らなかったので、近隣のBarの人たちに頭を下げて、前店長が辞めた事情を話して教えてもらいました。
そうしたら、みんな「こうやったらいいよ」といろいろ教えてくれて、「ありがとうございます」ってお礼を言って。
周りの助けがあって、何とかやっている感じです。
--シェイクするカクテルをオーダーされることはありますか?
西山 僕が立っているときは作れないので、注文されたら「すいません」って言うしかないです。今後はシェイカーを振るようなお酒も提供できるように、がんばりたいですね。