総務省が発表した「2022年人口移動報告」で人口動態の都心回帰が鮮明になってきました。新型コロナウィルスの感染症法上の位置づけを5類相当へ引き下げることも決定され、アフターコロナに向け社会も変化しようとしています。

新型コロナウィルスによる規制も緩和され、経済の活性化から東京への一局集中が再び進む可能性があります。そこで総務省のデータを基に、アフターコロナを見据えた東京のマンション投資について考えます。

アフターコロナで都心回帰の兆し!東京でマンション投資を始めるなら今が好機か
(画像=YoshinoriOkada/stock.adobe.com)

総務省の人口移動報告で東京の人口が再び増加へ

総務省が発表した「住民基本台帳人口移動報告2022年」によると、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の人口が前年比で9万9,519人の大幅な転入超過となりました。上のグラフにあるように、東京圏のみが突出して人口が増えていることがわかります。全国で転入超過となったのは11都府県で、全体的には人口減少の影響が色濃く出ている印象です。

東京圏のうち東京都特別区部(東京23区)に絞ってみると、2万1,420人の転入超過となっています。前年が1万4,828人の転出超過だったので、前年からは3万6,248人増えたことになります。2021年はコロナ発生2年目で先の見通しが立たない段階だったこともあり、家賃の安い地方へ移住する人が増え、マイナスになったものと思われます。

新型コロナウィルス5類相当への引き下げでアフターコロナが見えてきた

2022年はオミクロン株対応ワクチンの開発などがあり、新型コロナウィルスの感染対策による各種の行動制限も次第に緩和されるようになりました。10月11日からは外国人観光客への水際対策も大幅に緩和され、入国人数の上限が撤廃、個人旅行も解禁されています。インバウンド効果によって人気スポットには外国人の姿も目立つようになりました。

このような一連の流れを見つつ、アフターコロナを先取りして東京圏へ回帰する人が増えたのが、総務省発表の数字に結び付いたものと思われます。

さらに政府は2023年5月8日から、新型コロナウィルスの感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザなどと同じ5類へ引き下げることを決定しました。

5類相当への引き下げで、イベントなどの行動制限も大幅に緩和または撤廃される見込みで、いよいよアフターコロナの社会が現実味を帯びてきました。

経済活性化で都心と地方の人口格差が拡大か

アフターコロナが見えてきた一方で、日本は人口減少社会が始まっており、これから経済のパイは縮小するリスクがあります。それによって、経済活性化で今後都心と地方の人口格差が増々拡大することが予想されます。企業としてもパイが縮小するエリアに投資しても効率が悪いので、東京圏に経営資源を集約しようとする動きになるのはやむを得ないといえます。

人口格差は都心と地方のみならず、大都市圏でも拡大しつつあります。東京圏が27年連続で転入超過になっている一方で、大阪圏と名古屋圏は10年連続で転出超過となっています。

新型コロナウィルスのリスク低減によって、テレワーク中心の勤務体制を見直す企業が増えるのは確実で、今後ますます東京圏への一極集中が加速する可能性が高まったと考えられます。

東京23区でこれから期待できるエリアは?

一時人口の流出が見られた東京都ですが、アフターコロナを見据えて再び増加の傾向がはっきりしたことで、リスクが低減して再びマンション投資の好機がやってきました。資産運用型マンションの多くは東京23区に立地しています。

マンション投資の人気エリアである港区はすでにマンション価格が高騰しており、初期費用を考えるとこれから投資するにはリスクが高いと思われます。そこで港区以外の東京23区でこれからマンション需要の拡大が期待できるエリアとして以下の5区を紹介します。

中央区

交通利便性の向上で今後の需要拡大が期待できるのが中央区です。東京都が計画している臨海地下鉄の停車駅に新銀座、新築地、勝どき、晴海(いずれも仮称)の4駅設置が予定されているからです。

とくに鉄道空白地帯といわれる晴海に新駅が設置されることで、中央区エリアの交通利便性が一段と向上します。臨海地下鉄の開業は2040年を予定していますが、開発の段階でも地域経済の活性化が期待できます。

晴海では、東京五輪選手村として使われていた巨大マンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の分譲が開始されます。開発と同時に環境も整備されることから人気を呼び、物件はSOLD OUTが予想されます。買えなかった人はせめて賃貸でも住みたいと考えるので、周辺エリアでの賃貸マンション経営は有力と思われます。

新宿区

再開発関連で期待できるエリアとしては新宿区が挙げられます。渋谷駅前の再開発はある程度進んでいますが、新宿区に位置する明治神宮外苑エリアの再開発はこれから始まります。

プロジェクトでは、神宮球場、神宮第二球場、秩父宮ラグビー場、軟式野球場が一体で建て替えられる予定です。2036年ごろ地区一帯の完成を目指しており、渋谷駅前に比べるとまだそれほど話題になっていない今、先行投資しておくには面白いエリアといえそうです。

品川区

巨大プロジェクト関連では品川区も期待できます。リニア中央新幹線が開業すると、東京-名古屋間の経済交流が活発になり、名古屋を地盤とする企業が東京に営業所を開設する可能性が高くなります。

そのとき恩恵を受けると予想されるのが品川区です。ビジネスチャンスの拡大から、社員の移動も考えられ、品川区の賃貸需要のアップが期待できます。

中野区

コンサートホールが入っていることで知られる「中野サンプラザ」が、2028年を目指して再開発されます。完成すれば「中野サンプラザシティ」(新名称)の中心施設として7,000人収容の巨大コンサートホールが誕生する予定です。中野がマスコミの話題になるのは確実でしょう。

加えて大学が多い学園都市や、「中野ブロードウェイ」があるカルチャー都市としての顔も持つことから、ワンルームマンションの経営に妙味がありそうです。

墨田区

新しさと昔ながらの風情がバランス良く混在しているのが墨田区です。東京スカイツリーで若年層の人気を取り込む一方で、両国国技館や江戸東京博物館(リニューアル工事のため休館中)、隅田公園など高齢者やファミリー層が楽しめる施設も多いという魅力があります。

人気エリアの浅草が近いのもプラスポイントです。マンション投資としては、ワンルームマンション、ファミリー向けのどちらでも需要が見込めるのが強みです。

東京23区は賃貸需要の中心年齢層が爆発的に増えている

最後にマンションオーナーにとって心強いデータを確認しておきましょう。年齢層別に転入超過数を見ると、0~14歳ではさいたま市、65歳以上では札幌市が1位で、東京都特別区部(東京23区)はベスト20にも入っていません。

しかし、マンションの賃貸需要の中心である15~64歳では4万7,678人と断トツ1位の増加を記録しています。つまり、マンション投資をするなら賃貸需要の中心年齢層である15~64歳の転入が爆発的に増えている東京23区の物件を購入するのが最も効率が良いといえるのです。

これから東京23区でのマンション投資を考えるなら、まずは東京23区エリアに強い不動産会社を気軽に訪ねてみるとよいでしょう。

※本記事は2023年2月7日現在の情報を基に構成しています。人口移動や再開発計画は流動的ですので、参考程度にお考えください。

(提供:Incomepress



【オススメ記事 Incomepress】
不動産投資にローンはどう活用する?支払いを楽にする借り方とは
お金の貯め方・殖やし方6ステップとは?ごまかさずに考えたいお金の話
日本人が苦手な借金。良い借金、悪い借金の違いとは?
あなたは大丈夫?なぜかお金が貯まらない人の習慣と対策
改めて認識しよう!都市としての東京圏のポテンシャル