チーファンラマレポート
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「人民元は3位堅持。PMI改善も輸出入は減少。来週は小売と鉱工業生産」人民元見通し

(通貨3位、株価7位)

予想レンジ 人民元/円19.5-20.0

(ポイント)
*人民元は年初来では3位とまずまずの強さ
*PMI改善も輸出入は減少。来週は小売と鉱工業生産
*本日は消費者物価の発表
*23年の成長率目標は5%(全人代)
*米中関係での摩擦は続くが、決定的な衝突はない
*中国がウクライナ・ロシア紛争の和平案を提案
*1月の対中国FDI、前年比14.5%増
*政策金利、2月据え置き
*対豪関係は改善
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
*IMFが23年成長見通し上方修正
*ラガルドECB総裁は中国の景気回復でのインフレを懸念
*対露貿易は拡大
*ロシアのように中国と経済関係を断つとしたら

(人民元は3位堅持)
人民元は3位堅持。1月に続き、2月の政府版と財新の各種PMIが大幅改善したことを好感した。株価も強含んだ。ゼロコロナ政策解除で経済は順調に回復したように見えていたが、1-2月の貿易収支では輸出入の伸びが減少したので、人民元、株価も上昇を一服させている。本日は2月消費者物価、生産者物価の発表がある。来週は1-2月の鉱工業生産や小売売上の発表があるが、予想は上向きだ。

(1-2月貿易収支では輸出入が伸び悩んだ)
1-2月の貿易収支によると、輸出は前年比6.8%減少した。海外の需要が引き続き弱いことが裏付けられた。予想(9.4%減)よりは、減少率が小幅にとどまった。22年12月には9.9%減少していた。
輸入は前年比10.2%減少と、予想の5.5%減よりも大幅に減少した。22年12月は7.5%減。中国は輸出向けに部品や原材料を輸入することが多く、輸入減は海外需要の弱さを反映している面もある。
1-2月の貿易収支は1169億ドルの黒字。予想は818億ドルの黒字だった。

(今年の経済成長率の目標を5%前後へ)
 全人代では、李克強首相が今年の経済成長率の目標を5%前後とすることを表明した。去年の目標である5.5%前後から引き下げた。政府活動報告では「足元の発展はさまざまな困難と試練に直面している。国内経済の安定成長の基盤は一層、強化される必要がある」など課題も指摘した。消費者物価については過去10年間2%で安定している。これは容易そうで難しいことだとした。
 人民元の為替レートは基本的に合理的でバランスのとれた水準で安定的に維持されるべきとした。また少子化については第三子出産への政策を支援を表明した。

(米中関係)
米中関係は悪化を阻止する動きも見られている。レモンド米商務長官は、年内の訪中を検討していることを明らかにした。米政権が検討する対中投資規制について「範囲が広すぎると米国の労働者と経済に悪影響を及ぼす」とし、対象を限定すべきだとの考えも示した。レモンド氏は「中国との関係で望むのは対立激化ではない」と述べた。米国で安全保障上の懸念が高まっている中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡っては、警戒しているのは「TikTokだけではない」と述べ、中国から個人情報や機密データを守るため「議会と協力する」と強調した。

テクニカル分析(人民元/円)

2σ上限から反落も中位から反発

日足、ボリバン2σ上限から反落も中位で反発。3月7日-8日の上昇ラインがサポート。3月3日-8日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。20日線上向き。
 週足、依然雲中。2月6日週-13日週の上昇ラインがサポート。22年10月17日週-2月27日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、1月、2月は陽線。3月も陽線スタート。11月-12月、10月-11月の下降ラインを上抜く。1月-2月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。

チーファンラマレポート
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チーファンラマ

もし中国と経済的に断絶すれば

 米国の対中貿易(2021年)では、輸出構成比が8.6%でカナダ、メキシコに次ぎ3位、輸入構成比が17.8%で首位である。安全保障問題で貿易摩擦が生じているが、政府高官も自宅に戻れば、中国製品で溢れかえっている生活をしているだろう。もし、経済関係を断てば、ロシアの場合とは異なった大きな衝撃が米国だけでなく世界中に走る。多くの国が中国を最大貿易相手国としている。
 ただ、中国から輸入しているものは20世紀では他国から輸入していた筈。かなり時間がかかるが元に戻せばよい。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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