オーナー企業、同族企業とも呼ばれるファミリービジネスは、日本の上場企業の52.9%を占める。非上場企業も含めるとその比率は実に90%以上であり、これはアメリカ、イギリス、フランスなどと比べても突出している。そんなファミリービジネスの強みは、所有と経営が一致していること。つまり、経営者が大株主でもあるため、迅速に、よりアジャイル(機敏)に経営判断を下せるのだ。
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ファミリービジネスとは?
いまや世界はVUCAの時代に突入し、未来が予測不可能になりつつある。そんな中、企業は問題が起きた後の対応能力の速さで勝負しなければならないし、そのためには戦略を単純化し、状況に応じてピポットに軌道修正できる機動性が求められている。まさに、ファミリービジネスの強みが活かされる時代となってきているのだ。詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。
特定の一族が所有する法人組織のことを、ファミリービジネスと呼ぶ。同族企業(経営)、オーナー企業、ファミリー企業と呼ばれることもある。サントリーやキッコーマンなど世界に名を馳せる大企業から、地元の老舗和菓子屋まで、その規模はさまざまだ。
ここでいう「一族」は、理念を共有しているという主観的な要素と、株式を所有しているという客観的な要素の両方を併せ持っている。もちろん親子関係、あるいは姻族関係にあって血が繋がっている場合が多いのだが、事業承継者として養子を迎えることもあるのは日本特有だと言われており、日本にファミリービジネスの多い理由の1つとされている。
同族企業を定義した代表的な国内法令としては法人税法が挙げられ、それによれば、主に上位3株主の持株比率を合わせると50%を超える会社のことを指す。しかし、株式の比率が50%未満であっても、創業家が所有し、経営している企業は、創業家が企業を支配しているという観点でファミリービジネスと認識されることが多い。