人民元見通し
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総括

FX「GSが成長見通し6%へ引き上げ、米中露が動き出す」人民元見通し

(通貨2位、株価9位)

予想レンジ 人民元/円19.1-19.6

(ポイント)
*全人代の成長見通しは5%、GSは6%へ
*人民元は年初来では2位とまずまずの強さ
*PMI改善も輸出入は減少。小売と鉱工業生産はまずまず
*2月消費者物価は伸び減速
*1年物MLFで資金供給拡大
*バイデン大統領 習近平国家主席との電話会談に意欲
*習近平国家主席、来週にもロシア訪問か
*中国がウクライナ・ロシア紛争の和平案を提案
*対豪関係は改善
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
*ラガルドECB総裁は中国の景気回復でのインフレを懸念
*対露貿易は拡大
*ロシアのように中国と経済関係を断つとしたら

(金融ショックで人民元円が下落)
人民元円はドルの下落とともに上昇が一服した(ドルにある意味ペッグしているため)日足が先週末に長い陰線をだした。週足が4週ぶり陰線、月足も陰転。ただ円以外の他の通貨程下落せず、全体では年初来2位。

(ゴールドマン、今年の中国成長率予想を6%に引き上げ)
ゴールドマン・サックスは3月15日、今年の中国の国内総生産(GDP)成長率予想を5.5%から6%に引き上げた。1月に5.2%から5.5%に上方修正したのに続く動き。
ゴールドマンは、新型コロナウイルスのパンデミックに敏感なセクターが力強く回復していることや、1-2月の幅広い経済活動改善を示すデータを理由に挙げた。長らく低迷していた不動産セクターが持ち直している点も指摘した。
全人代が設定した今年の成長率目標は5%前後。

(製造業PMI改善も貿易収支不冴え、小売、鉱工業生産などはまずまず)
ゼロコロナ政策解除とともに1月、2月の製造業・非製造豪PMIが改善したが、1-2月貿易収支では輸出入が伸び悩んだ。
1-2月の鉱工業生産は前年同期比2.4%増と、昨年12月の1.3%から伸びが加速した。ただ、予想の2.6%増は下回った。
1-2月の小売売上高は前年比3.5%増と、12月の1.8%減から増加に転じ、予想と一致した。
1-2月の固定資産投資は5.5%増で、予想の4.4%増を上回った。

(2月消費者物価は伸び減速)
2月の消費者物価は前年比1.0%上昇し、前月の2.1%から伸びが減速した。予想は1.9%上昇だった。
昨年終盤に厳格な新型コロナウイルス規制が解除されたものの、消費者は慎重な姿勢のままで需要が低迷した。
一方、生産者物価は前年比1.4%下落。予想は1.3%下落。

(1年物MLFで資金供給拡大) 
 人民銀行は、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて期日到来分を上回る資金を金融システムに供給した。金利は2.75%に据え置いた。
この日の供給額は4810億元。今月の期日到来分が2000億元あるため、差し引き2810億元の供給となる。
 
(バイデン大統領 習近平国家主席との電話会談に意欲)
サリバン大統領補佐官は「バイデン大統領は全人代の閉会後、習主席との電話会談を行いたいという意欲を示してきた。いずれ行われると思う」と述べた。一方、日程については決まっていない。
また、バイデン大統領も、イギリスのスナク首相との首脳会談の冒頭、記者団から習主席と話すのかと問われ「そのつもりだ」と答えた。

米中両国はアメリカ本土の上空を飛行した中国の気球の問題などをめぐり対立を深めているが、サリバン補佐官は「バイデン大統領は中国との競争は望んでいるが、衝突も新たな冷戦も望んでいない」と述べ、対話を重視する姿勢を改めて強調した。

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン2σ上限から3σ下限へ下落

日足、ボリバン2σ上限から3σ下限へ下落。2月10日-3月15日の上昇ラインがサポート。3月14日-15日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
 週足、依然雲中。2月6日週-3月6日週の上昇ラインを下抜く。2月27日週-3月6日週の下降ラインが上値抵抗。1月2日週-16日週の上昇ラインがサポート。
 月足、1月、2月は陽線。3月は陰転。1月-2月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。

人民元見通し
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チーファンラマ

習近平国家主席、来週にもロシア訪問か

習近平国家主席は、早ければ来週にもロシアの首都モスクワを訪問し、プーチン大統領と会談する計画。
中国は先月、ウクライナ紛争の和平案を提示したが、西側は懐疑的に受け止めている。
プーチン氏は先月モスクワで中国外交担当トップの王毅氏と会談し、習氏の訪ロを示唆していた。習氏とプーチン氏の対面での首脳会談は昨年9月以来となる。
習氏は全人代で異例の3期目続投が決まったばかり。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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