Closeup Benjamin Franklin face on USD banknote
Dilok / stock.adobe.com、ZUU online


この連載は、金融市場での重要イベントの解釈と金融商品の動きをわかりやすく解説することが目的です。今の市場の動きを左右する重要な話題は何か、イベントを市場がどう解釈し、どう反応したかを理解して今後の投資に役立ててください(ロン横浜)。


今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備理事会(FRB)は市場予想どおり0.25%の利上げが決めた。同時に発表した声明では、利上げスタンスが緩和しており、金融市場の初動はポジティブだった。しかし、パウエル議長の記者会見内容が思ったよりタカ派寄りだったことでNYダウは急落する。市場の動きを2段階にわけて見ていきたい。

FOMCは予想どおり0.25%の利上げ 声明はハト派

2023年3月22日午後2時(日本時間3月23日午前3時)に米3月FOMCの結果が発表された。FRBは、政策金利であるFF金利誘導レンジを0.25%引き上げ4.75〜5.00%とした(図1)。9回連続の利上げだ。インフレ抑制のために利上げで経済の過熱を防ぐというスタンスを維持した。一部には、地銀の倒産による金融システム不安から利上げを見送る、もしくは利下げするという見方もあった。しかし、FRBがインフレ抑制を最重要課題としているだけに、0.25%の利上げは市場予想通りでサプライズとはいえないだろう。

図1 FF金利誘導レンジを0.25%引き上げ4.75〜5.00%とした
図1 FF金利誘導レンジを0.25%引き上げ4.75〜5.00%とした(FRBデータより筆者作成)

声明文では、前回コメントの「継続的利上げが適切」を「いくぶんかの追加引き締めが必要かもしれない」へと変えた。インフレ抑制のために利上げは継続するが、利上げによるインフレ抑制効果は遅れること、金融システム不安で金利が下がっていることなどを考慮し、利上げ方針を緩和するようなコメントだった。

FOMCに参加している理事による今後の金利予想(ドットチャート)では、2023年のFF金利の最高到達点(ターミナルレート)が5.125%と据え置かれた(図2)。インフレ率が高止まりしているだけに、ドット・プロットは上振れするとの見方もあったがこれもポジティブ視された。つまり、年内利下げはしないまでも、あと1回の利上げで今回の引き締めサイクルは終了すると市場はポジティブに判断した。

図2 2023年のFF金利の最高到達点(ターミナルレート)が5.125%と据え置かれた
図2 2023年のFF金利の最高到達点(ターミナルレート)が5.125%と据え置かれた(FRBデータより筆者作成)

NYダウは、FOMC発表前は方向感がなく小幅安で推移していたが、FOMCの結果に反応して、2時過ぎにプラスに転じた。

パウエル議長のタカ派発言で市場は失望