中小企業が人材不足を解消するには、採用活動を見直す必要がある。近年ではさまざまなツールが登場したものの、有効活用ができない企業も多いだろう。本記事では中小企業における採用活動の実態や課題、ツールの活用方法を事例とともに解説する。

目次

  1. 中小企業の採用活動は難しい? 労働力人口の実態
  2. 「採用→早期退職」の悪循環に陥る企業の特徴
    1. 古い慣習のまま採用活動をしている
    2. 採用活動の予算が少ない
    3. 採用担当者が不足している
    4. 求人広告の掲載だけで安心している
  3. SNSや自社サイトは効果的か? ツールごとの活用方法
    1. 拡散でアプローチできる『Twitter』
    2. 写真や動画で女性にアプローチしやすい『Instagram』
    3. 公式サイトや自社採用サイト
  4. 求人広告の出し方にも工夫が必要? 埋もれないためのアプローチ例
  5. 「多様性」や「コンセプト」もポイントに! 中小企業の成功事例
    1. 【事例1】多様な応募者を集めるための工夫:GRA(宮城県)
    2. 【事例2】明確なコンセプトでミスマッチを防止:グリーンデイズ(栃木県)
    3. 【事例3】積極的かつ多角的なアプローチで若い人材を獲得:ミヤモト家具(富山県)
  6. 本格的な採用難を迎える前にアプローチを考えよう
成功事例から学ぶ中小企業の良い採用法
(画像=Freedomz/stock.adobe.com)

中小企業の採用活動は難しい? 労働力人口の実態

意外に思うかもしれないが、実は日本の労働力人口(※)は1990年代から増加している。

(※)就業者と完全失業者を合計した人口のこと。

労働力人口・就業者数の推移
(引用:厚生労働省「図表1-3-3 労働力人口・就業者数の推移」)

2019年の労働力人口は6,886万人であり、そのうち就業者数は6,724万人だった。しかしその一方で、15歳~64歳の人口は減少しているため、若い労働力が減りシニア人材が増えたと予想できる。

この現象が中小企業の人材不足を引き起こしている一因であり、2016年のデータを見ると小規模事業者ほど採用難であることがうかがえる。

2022年以降、有効求人倍率(※)はほとんどの都道府県で1を超えており、首都圏や大都市から離れるほどその傾向が強い。したがって、特に小規模事業者や地方の中小企業は、業種に関わらず採用難に直面しやすいといえる。

(※)求職者に対する求人数の割合。数値が1を超えると、求人数のほうが多い(=人手不足)ことを意味する。

「採用→早期退職」の悪循環に陥る企業の特徴

慢性的な人材不足に悩む企業は、「採用→早期退職」の悪循環に陥っていることが多い。なぜこのような悪循環になるのか、採用難に直面しやすい企業の特徴を見ていこう。

古い慣習のまま採用活動をしている

採用活動と聞いて、「ハローワーク」を思い浮かべる中小経営者は多いはずだ。しかし、スマートフォンで手軽に職探しができるようになった影響で、ハローワークの利用率は低下している。

そのため、古い慣習のまま採用活動をすると、優秀で若い人材は見つかりづらい。従来の方法が成功することもあるが、数年間続けても効果がでない場合は、新たな方法を模索する必要がある。

採用活動の予算が少ない

採用活動の予算が少ない企業は、求職者にアピールする方法が限られる。将来的には人件費も発生するため、採用コストをとにかく削る企業も見られるが、このような方法では知名度や人気は得られない。

予算が不足している場合は、他分野も含めて無駄な経営コストを削減し、余った資金を採用活動に回す必要があるだろう。

採用担当者が不足している

すでに人材不足に直面している企業は、担当者が不足する影響で採用活動がますます厳しくなる。求人広告の出稿作業や選考書類のチェック、求職者からの問い合わせ対応など、採用活動では多くの労力が必要になるためだ。

採用のコストや労力はいわば自社への投資であり、この投資がなければ採用活動は成り立たない。少数の担当者に任せきりにしている企業、コア事業に人員を集中させている企業は、採用態勢を見直すことから始めよう。

求人広告の掲載だけで安心している

大手の求人誌や求人サイトは、採用活動に役立つツールである。しかし、世の中には膨大な求人情報があるため、特徴や魅力がないと求職者の目には映らない。

掲載した広告が埋もれると、出稿に費やしたコストが無駄になってしまう。内容を見直すことはもちろんだが、出稿先にもこだわる必要がある。