中小企業が人材確保するアイデア事例集

最後に、厚生労働省の『人材確保に「効く」事例集』を参考に、いくつかのアイデア事例を抜粋して紹介する。

採用管理の事例

人材募集段階では求職者に「応募したい」と思わせることを意識し、求人票や自社のホームページなどで以下のような情報を積極的に公開する企業がある。

・賃金はモデル賃金も記載して明確に記載する
・職場の雰囲気や従業員の紹介などを行う
・年休取得率や産休・育休などの制度利用状況を公開する
・自社のウェブサイトやSNSで職場の魅力をアピールする

選考試験では、面接の段階で仕事内容や待遇などについて説明するだけでなく、実際に職場見学も行ってもらうといった取組事例がある。

定着管理の事例

社員の定着に直結する配置・配属については、業務適性や社員同士のマッチ度を考慮した上で配属するのはもちろん、定期的な面接によって適応状況を確認してフォローアップする、配置転換をするなどといった事例がある。

人材育成については、経験年数や職種別による育成制度の整備、自己啓発に対する一部助成や資格手当の創設、人材育成のためのジョブローテーション実施などといった取組事例がある。

就労条件の事例

就労条件については、働き方改革の施行による法改正に伴い、休暇制度の見直し、就業規則の定期的な改訂や労働条件の分かりやすい表記に努める企業がある。

労働時間管理が曖昧だった企業ではタイムカードの導入や勤怠管理システムの見直しを行い、勤務実態を把握した結果、フレックスタイム制を導入した事例もある。

理念・価値観の事例

中小企業でも自社が存在する理由である「経営理念」を社内外に示すことで、社員の帰属意識を高めて定着率を向上させたり、求職者の応募を促したりすることも不可能ではない。

紹介事例では、無記名での社内アンケートの実施により、社員の要望や不満点、働くことに対する価値観を確認することで企業理念や行動規範を整備し、それらを記載した「クレドカード」を配布して一体感を高めたという取り組みがある。

中小企業も優秀な人材確保に向け、自社の課題を把握し採用戦略を定期的に見直そう

人材不足が深刻化する中、中小企業の人材確保は経営存続に直結するほど大きな課題となりつつある。

企業によって人材確保に関する課題は異なるため、経営者や管理職層の主観的な考えだけでなく、社内アンケートなどによる自社の組織的な現状課題の把握も必要だ。

自社の課題が把握できたら、厚労省の取組事例なども参考にしながら施策を実行し、定期的に見直しを行って自社独自の人材確保の手段を構築してほしい。

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文・隈本稔(経営・キャリアコンサルタント)

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