厳選された原酒を、絶妙なバランスでブレンドしたスコッチウイスキー「シーバスリーガル」。
ウイスキーファンだけではなくお酒をたしなむ方なら名前を聞いたことがある銘柄ではないでしょうか。
「シーバスリーガル」の華やかでフルーティーな味わいは世界中のウイスキーファンから支持されています。
今回はブレンデッドウイスキー「シーバスリーガル」の歴史や製法、「シーバスリーガル」の個性豊かなラインナップ、口コミをご紹介します。
この記事の監修者
浅野まむ
お酒とBarを愛しています。バーテンダー歴8年、現在ライター。ウィスキーエキスパート資格持ち。 1人で飲むのも、2人で飲むのも、大勢で飲むのも何でも好きです。
「シーバスリーガル」とは
「シーバスリーガル」はシーバス・ブラザーズ社が製造しているブレンデッドウイスキーで、ペルノ・リカール・ジャパン株式会社が日本の販売元です。
キーモルトである「ストラスアイラ」を中心に、さまざまな原酒をブレンドして造られています。
厳選された原酒を卓越したブレンド技術で完成させた「シーバスリーガル」は、スムースな飲み口なのに華やかでフルーティー。
万人受けする味わいで、ブレンデッドウイスキーを代表する銘柄のひとつです。
「シーバスリーガル」名前の由来
「シーバスリーガル」の名前は、創業者であるシーバス兄弟の名前と、「王家の」「威厳のある」という意味の「リーガル」を組み合わせたことが由来です。
さまざまな原酒をブレンドしてウイスキーを造ることで、なめらかで華やかな味わいを実現させたシーバス兄弟はブレンデッドウイスキーのパイオニアといえる存在です。
キーモルトは「ストラスアイラ」
「シーバスリーガル」のキーモルトであるストラスアイラ蒸留所は、スペイサイド地方キースにある、1786年創業の現存する最古の蒸留所です。
スコットランド屈指の景観を誇る蒸留所としても有名で「絵のように美しい」と形容されるほど。
蒸留所のオフィシャルボトル「ストラスアイラ12年」はフルーティーでフルボディな味わいが魅力のシングルモルトウイスキーですが、残念ながら終売となっています。
ただし、現在もネットショップやオークションサイトで購入可能です。
シーバスリーガルの歴史
今ではブレンデッドウイスキーの代表銘柄のひとつとなっている「シーバスリーガル」の歴史は、どのようなものなのでしょうか。
「シーバスリーガル」誕生からの歩みを解説していきましょう。
始まりはアバディーンの高級食料品店
「シーバスリーガル」の誕生は、スコットランドのアバディーンにある高級食料品店でジェームス・シーバスが働き始めたことがきっかけでした。
探究心が強く、才覚のあったジェームス・シーバスはメキメキと頭角を現しました。
そこに弟のジョン・シーバスを招き入れ、シーバス・ブラザーズ社を創業します。
店の地下にあるセラーでウイスキーの熟成を試していたところ、顧客から「より豊かでなめらかなウイスキーを」という依頼があり、シーバス兄弟はウイスキーのブレンディングを始めました。
上質で安定した味のウイスキーが評判を呼び、上流階級の人々の支持も獲得します。
1840年代に入ると、シーバス・ブラザーズ社は商品の質の良さで世界中から注文が殺到するようになりました。
その噂は英国王室も知ることとなり、1943年にビクトリア女王から王室御用達(ロイヤルワラント)の名誉を得ることになります。
王室御用達(ロイヤルワラント)とは?
ブランドや企業に与えられる特別な称号で、ロイヤルワラントを受けた商品やサービスは各国の王室への提供が許される。
「シーバスリーガル」の誕生
1909年に、初代マスターブレンダーのチャールズ・ハワードとアレキサンダー・スミスが「シーバスリーガル 25年」を発売。
世界初のラグジュアリーウイスキーとして売り出されましたが、当時の技術で25年熟成のウイスキーを生み出すのは至難の業だったことでしょう。
当時のシーバス・ブラザーズ社の徹底した管理体制と技術力が、いかに高かったかがわかりますね。
最初に販売されたのはニューヨークで、すぐに富裕層の人々から多くの支持を得ることになりました。
ニューヨーク社交界では、定番のウイスキーとしてパーティーに無くてはならない存在となったのです。
禁酒法からの復活
1920年にアメリカで禁酒法が制定されたことで「シーバスリーガル」は市場から姿を消してしまいます。
ニューヨークを席巻したのは、わずか10年ほどという短い期間でした。
しかし、禁酒法で販売できなくなっても「シーバスリーガル」のクオリティーの高い味わいは人々の記憶に残っていました。
1933年に禁酒法が廃止されると、1938年には「シーバスリーガル 12年」がリリースされ、待望の復活を遂げました。