中小企業の資金繰りが苦しくなる理由と改善方法

利益を出すことは資金繰りの悪化防止につながるが、利益が出ていても苦しくなることがある。続いては、資金繰りが悪化する理由と改善方法を解説していく。

利益を出す

利益が赤字ならば経費が売上を上回っているため、この状況が続けば、当然会社の資金は底を尽きる。早々に赤字を改善し、利益が出るよう事業の見直しを図る必要がある。

赤字の改善には以下の2つのアプローチがある。

・売上を増やす:単価を上げる、数量を増やす
・経費を減らす:原価率を見直す、固定費を圧縮する

何が足枷となって赤字が続いているのか、経営者が分析して早急に改善策を打ち出す必要がある。

売掛金や未収金を回収する

黒字でも、売掛金の入金遅れや回収もれなどで資金繰りが悪化することがある。

特に、顧客が個人ではなく企業の場合、先に商品やサービスを提供して後日入金になるケースが多い。経費の支払いより売上の入金が遅れると資金残高が不足し、最悪の場合支払いができない事態に陥りかねない。

売掛金の入金期限を早めに設定するとともに、回収できていない売掛金をきちんと管理し、回収するまで働きかけることが大切だ。口座振替やカード決済など、決済方法を変更して回収もれを防ぐ方法もある。

過剰在庫を解消する

過剰在庫を持ち、仕入代金を支払ったものの売上にはつながっていないという状況は、早々に解消する必要がある。

過剰在庫になる主な要因には、仕入と販売それぞれに問題があるケースがある。無計画な仕入が過剰在庫につながっているなら、タイミングや量を見直す必要がある。販売計画に問題があり、本来なら売れる商品が在庫として残っているなら見直すことが大切だ。

また、理論上の在庫と実際の在庫に隔たりがあるようなら、仕入を見直したり、ロスを防ぐ工夫をしたりする必要がある。

買掛金の支払い期限を延長する

資金繰りが悪化して支払いがままならないならば、仕入先に相談して買掛金の支払い期限を延長してもらうという方法がある。

しかし、仕入先側が売掛金の回収が遅れて資金繰り悪化にもつながりかねないため、すでに資金繰りが悪化してどうしようもない時の頼みの綱とするべきだろう。

法人向けのクレジットカードを作り、1ヵ月支払いを延長するという方法もある。しかし、当然ながら将来的には支払いをする必要があるため、こちらも一時しのぎの手段といえる。

融資や出資を受ける

資金繰りが悪化した際に、金融機関から融資を受けたり投資家から出資を受けたりするという選択肢もある。

ただ金融機関や投資家も、お金が返ってくる見込みがあるから融資や出資に応じてくれるという点は理解しなければならない。融資や出資を受ける時は、返済計画や将来展望を伝えて納得してもらう必要がある。

出資というと、スタートアップ企業とベンチャーキャピタルの組み合わせをイメージするかもしれないが、最近ではクラウドファンディングを利用し、インターネットを通じて幅広い個人投資家から出資を募る選択肢もある。自社の商品やサービスに根強いファンがいるならば、想像以上の資金が集まる可能性もあるため、試してみる価値があるだろう。