スタートアップという言葉をよく見聞きするようになった。しかしなかには、スタートアップがどういう企業であるか理解しているつもりでも、意味やベンチャーとの違いをきちんと説明できない人もいるだろう。そこで本記事では、スタートアップの意味やベンチャー・スモールビジネスとの違いについて解説していく。
あわせてスタートアップ支援サービスや成功ポイントなどについても紹介する。
目次
スタートアップの意味は
まずは、スタートアップの意味について確認しておこう。
スタートアップの定義
スタートアップとは、「Start(スタート)」と「Up(上昇)」という言葉の通り、「急成長をする組織」と定義されている。例えば、起業して数年間で数千億円の価値評価が付いたり、数十年で世界を変革させるような事業を行ったりする会社や組織を指す。「スタートアップ=ITや技術系の企業」と考える人も多いが、実際はITや技術系の企業に限られているわけではない。
たしかに世界を変革させるためには、新たな技術も必要となるため、必然的にITや技術系の企業がスタートアップに多い傾向だ。しかしITや技術を用いた事業であっても「着実な成功」を目指すビジネスの場合はスタートアップに該当しない。この場合は、スモールビジネスやベンチャーに該当する。
スタートアップの特徴
スタートアップ企業には、主に以下の6つの特徴が挙げられる。
- イノベーション
- 「Jカーブ」の成長曲線
- 短期間でイグジット(EXIT)を達成する
- ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家をステークホルダーとする
- 即戦力の人材を集めた組織づくり
- キャピタルゲインを報酬とするインセンティブ設計
イノベーションは、「技術革新」とも呼ばれるが、革新的なビジネスモデルや商品・サービスなどで社会に大きな変革をもたらすことを指す。まさにスタートアップの目的とするところであり、イノベーションは欠かせないものだ。また起業間もなく急激な成長をもたらす、いわゆる「J」の形の成長カーブを目指し、早期にイグジットを達成する出口戦略を描いている。
ちなみにスタートアップでいうイグジット(出口戦略)とは、スタートアップへの投資家が資金を回収することを意味する。投資家とは、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家を指し、資金回収にはM&AやIPOなどの手法を選択するのが一般的。これらを実現させるためには、即戦力となる人材が必要だ。
ただ自身のスキルが高いだけでなく組織や事業の成功に向け、インセンティブとしてキャピタルゲインを得られるようにストックオプション供与という構図もある。
ベンチャーとの違い
フットワークが軽く大企業が実現できないような経営により新しい商品やサービス、事業を展開する企業には、ベンチャーもある。これは、スタートアップと共通する点であるが両者は「イノベーション」と「成長曲線」の2点が大きく異なるのが特徴だ。ベンチャーは、既存のビジネスモデルをベースに独自の変化や工夫を加えて商品・サービス・事業を展開する企業である。
そのため「市場で受け入れられるだろう」というある程度の確信が得られる事業を行うことで、安定した収益を目指す。一方、スタートアップは社会に変革をもたらすようなイノベーションで急成長を目指すのだ。