400年近くの歴史ある酒造が造るピュアモルトウイスキー「ゴールデンホース 武蔵」。

ウイスキー市場の低迷から閉鎖となった自社蒸留所の復活に際し、クラウドファンディングを行って話題となった「ゴールデンホース」とは、どのようなウイスキーなのでしょうか。

「ゴールデンホース 武蔵」の歴史や評価、味やおすすめの飲み方を解説するとともに、復活した蒸留所の取り組みや口コミも紹介します。

この記事の監修者

いのかず
(画像=「whiskeen」より引用)

いのかず

バーテンダー歴6年。どこかのチーフバーテンダー。家でもお酒を楽しんでもらいたいという想いから、ウイスキーやカクテルに関するコンテンツをWebで発信。

「ゴールデンホース 武蔵」とは

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(画像=「whiskeen」より引用)

埼玉県で400年近く続く東亜酒造が製造しているピュアモルトウイスキー「ゴールデンホース 武蔵」。

貯蔵年数の異なる複数のスコットランド産モルト原酒をブレンドしており、深い味わいが特徴のウイスキーです。

発売当初は輸入した原酒を使用していましたが、後に自社蒸留所を設立し、モルト原酒の自社製造にも取り組んできた歴史があります。

1962年に東亜酒造でウイスキーを発売して以降、「ゴールデンホース」シリーズは人気を博してきました。

「ゴールデンホース 武蔵」の製造地


「ゴールデンホース 武蔵」を製造している東亜酒造は、埼玉県羽生市にあります。

東亜酒造はもともと、埼玉県秩父市で酒造りをしていましたが、豊かな水に恵まれた穀倉地帯である羽生市に本社が移されてから現在まで、酒造りを続けてきました。

2021年にクラウドファンディングを実施して話題となった羽生蒸溜所も、同住所に位置しています。

「ゴールデンホース 武蔵」の歴史

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(画像=「whiskeen」より引用)

埼玉県羽生市にある東亜酒造が製造しているピュアモルトウイスキー「ゴールデンホース 武蔵」。

歴史ある酒造が造るウイスキーですが、ウイスキーそのものにはどのような歴史があるのでしょうか。

東亜酒造の設立から現在までのあゆみを振り返りながら、「ゴールデンホース 武蔵」の歴史をご紹介します。

約400年の歴史ある酒造でウイスキー販売を開始

埼玉県は江戸時代に米処として知られており、約700蔵もの「造り酒屋」があり、酒処として栄えていました

酒処であった埼玉県にある秩父市で1625年に酒造りを始めたのが、東亜酒造の原点です。

造り酒屋とは?

造り酒屋とは、蔵でお酒を醸造して店舗で販売する酒屋のこと

もともと日本酒を製造していた東亜酒造ですが、1941年に本社を埼玉県羽生市に移してから5年後の1946年、ウイスキーの販売免許を取得しました。

その後、スコットランド産のモルト原酒をブレンド・樽貯蔵したウイスキーを販売開始したのが「ゴールデンホース」シリーズの始まりです。

自社モルト造りのため羽生蒸溜所を設立

日本酒の酒造であった東亜酒造は自社製の原酒を持っていなかったため、ウイスキー発売当初は、輸入したモルト原酒をブレンドした商品から販売をスタートしました。

やがて自社製モルト造りに乗り出し、1980年には羽生蒸溜所を設立

ポットスチルを導入して、自社モルトのウイスキー製造を開始します。

東亜酒造の創業地である秩父市の名を冠した「ゴールデンホース 秩父8年」をはじめとする「ゴールデンホース」シリーズは、好評を博しました。

ウイスキー製造休止により残された原酒

「ゴールデンホース」シリーズが好評だった東亜酒造ですが、ウイスキー市場の低迷とともに経営不振となり、2000年に羽生蒸溜所は操業を停止しました。

2004年にはウイスキー製造を休止せざるを得ない状況に陥ります。

ウイスキー製造休止に伴って、東亜酒造は当時保有していた自社モルト原酒を手放すことを決断しました。

しかし、東亜酒造設立者の孫である肥土伊知郎(あくと いちろう)氏が、東亜酒造の原酒を守るために立ち上がり、原酒は破棄されずに守られたといいます。

このとき守られた原酒は後に、埼玉県秩父市で生まれた原酒とブレンドされ「イチローズモルト」となったのです。

「イチローズモルト」の詳細は、こちらの記事も参考にしてください。