IT化やDX化で中小企業はどう変わる?意識したい3つの効果

IT導入補助金を利用しても、全ての導入コストが補助されるわけではない。運用コストもかかるため、あらかじめ導入効果を明確にした上で、必要なシステムやサービスを選ぶことが重要だ。

ここからは3つの点に分けて、IT化やDX化で意識したい効果を解説する。

1.経営体質の見える化

AIとビッグデータを活用した経営分析は、すでにさまざまな企業で行われている。中小企業の導入例も増えているため、勘に頼った経営では時代に取り残されるかもしれない。

自社が抱えている課題を見極めるには、「経営体質の見える化」が必要だ。例えば、販売管理システムを導入すると原材料の単価がデータ化されるため、ニーズに合わせて仕入れを調整するといった対策が可能になる。

2.業務効率化や人材の再配置

これまで属人的であった業務を自動化できる点も、デジタル技術を導入する効果だ。分かりやすい例としては、紙面から請求書データを作成するツールや、単純作業を代行するロボットなどが挙げられる。

このようなデジタル技術を導入すると、業務効率がアップするだけではなく、手が空いた人材を再配置できる。

3.働き方改革やワークライフバランスの実現

IT導入補助金には、働き方改革やワークライフバランスの実現につながる補助対象も含まれている。例えば、給与管理とタイムカードを連携した管理ツールを導入すると、明確なデータをもとに労働環境や規定を見直せるかもしれない。

働きやすい職場づくりは、人材不足の解消や企業価値の向上にもつながるため、積極的に意識したいポイントだ。

方向性を決める前にIT導入補助金の概要を確認しよう

2023年のIT導入補助金では、さまざまなソフトウェアやサービスが補助対象に含まれる。クラウドなどの汎用的なサービスも補助対象なので、多くの中小企業が利用しやすい制度になっている。

ただし、導入するツールや範囲によって補助内容は変わるため、施策を進める前にIT導入補助金の要件や補助率などを確認しておこう。

著:片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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