デジタル技術の導入コストは、数百万円以上に及ぶこともある。中小企業には大きな障害となるが、最大450万円が支援される「IT導入補助金」をご存じだろうか。本記事ではIT知識に自信がない層に向けて、2023年のIT補助金の概要を簡単に解説する。
目次
IT導入補助金は中小企業をサポートする制度
IT導入補助金は、中小機構が2017年から実施している補助金制度だ。ソフトウェアやクラウドなどの導入費を対象として、所定の要件を満たした企業に最大450万円が支給される。
制度名 | IT導入補助金 |
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実施者 | 中小機構 |
対象企業 | IT化を進める中小企業(飲食や製造業、建設業なども含む) |
主な要件 | ・従業員数が一定数以下であること ・資本金が一定額以下であること ・補助対象となる経費を使ったこと (※従業員数や資本金の基準は業種によって異なる) |
補助対象 | ・ソフトウェア購入費 ・クラウド利用料 ・導入関連費 ・ハードウェア購入費 |
申請期間(2023年) | 2023年3月20日から(終了時期は未定) |
簡単にまとめると、IT導入補助金は中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する制度である。2023年6月時点で終了時期は未定だが、申請時には事前準備(ツールの選択やアカウント開設など)が必要になるため、早めの申請を意識しておきたい。
2023年は最大75%の導入コストを支援
2023年のIT導入補助金には4つの類型があり、それぞれ補助対象や補助率、上限額などが異なる。
<通常枠(A類型)>
補助額:5万円~150万円未満
補助率:2分の1以内
補助対象:ソフトウェア購入費、2年分のクラウド利用料、導入関連費
主な要件:特になし
<通常枠(B類型)>
補助額:150万円~450万円以下
補助率:2分の1以内
補助対象:ソフトウェア購入費、2年分のクラウド利用料、導入関連費
主な要件:4以上の業務工程があり、賃上げ目標を設定していること
<セキュリティ対策推進枠>
補助額:5万円~100万円
補助率:2分の1以内
補助対象:2年分のサービス利用料
主な要件:情報処理推進機構が指定するサービスであること
<デジタル化基盤導入類型>
補助額:350万円まで
補助率:50万円以下の部分は4分の3以内、50万円超の部分は3分の2以内
補助対象:会計や受発注、決済、ECに関するソフトウェア
主な要件:50万円超の補助は、「会計・受発注・決済・EC」のうち2機能以上が対象
上記の他、2023年10月から開始されるインボイス関連の類型や、複数社での導入を対象にした類型も用意されている。判定方法が分からない場合は、「業種別に定められた中小企業の要件」と「導入ツールが含まれる類型」の2点を確認し、その上で細かい要件を確認していこう。