社員のコミュニケーション力を強化する方法
社員のコミュニケーション力を高めるためには、経営者からの積極的な働きかけも大切だ。ここでは、経営者が実践できる具体的な5つの方法を紹介する。
経営者やマネジメント層がオープンマインドで接する
経営者やマネジメント層が社員に対して先入観を持って接すると、コミュニケーションに萎縮して成長を阻害する恐れがあるため、オープンマインドで接することが大切だ。
また、社員の反応に対してイライラして叱責したり、これまでの経験で築いた価値観を押し付けたりすれば、社員が心を開いてくれなくなる恐れがある。
アンガーマネジメントなどを用いて自分のメンタルコントロールをした上で社員の話を聞き、叱責ではなく成長を促すような声かけを意識しよう。
社員同士の雑談や議論の場を設ける
社員同士が意識的に雑談や議論などのコミュニケーションを取り合い、連帯感を醸成するための場を設けるのも大切だ。
社内では同期同士や仲のいい社員同士のみで関わりを持つことが少なくないが、コミュニケーション力を成長させるには、価値観の違う人同士の関わりが欠かせない。
株式会社 EVENTOSは、26歳以下の若手社員が他部署の社員と積極的に情報共有などを行う「新鮮組」活動を通して、コミュニケーションの機会を意図的に作っている。
職場内に相談先を幅広く持つことで、人間関係に対しての不安を払拭でき、連帯感を高められるだろう。
1on1ミーティングを定期的に行って接触機会を増やす
1on1ミーティングを通して、マネジメント層が社員と1対1で向き合って懇談する時間を設けることもコミュニケーション力の成長に有効だ。
ヤフー株式会社では、週に1度30分間、部下の業務上の経験などの振り返りを上司が一緒になって行い、「経験学習サイクル」を回して成長を支援する取り組みが行われている。
上司が部下の話しやすい雰囲気を作りながら傾聴し、丁寧なフィードバックをすることで社員の成長につながっている。
社内コミュニケーションツールを導入する
テレワークを導入しているといった理由で社員同士の会話の機会を設けられないならば、「Chatwork」や社内SNSのようなコミュニケーションツールを導入するのもいいだろう。
コミュニケーションにおいても、接触機会が増えるほど好意的な関係が築けるとされる「ザイアンスの法則」は有効だ。手軽に連絡できる社内ツールを利用し、業務上の連絡や簡単な挨拶や雑談の機会などを設けることで、対話が難しい環境でも接触機会を増やせるだろう。
コミュニケーションの研修やセミナーの開催
外部講師などに依頼して、社内コミュニケーションについて基礎的な内容を学べるような研修を開催するのもおすすめだ。
研修を通してポイントを学ぶことも大切だが、何よりも研修で社員同士が関わる機会を作ることが組織としてのコミュニケーション力向上のきっかけとなる。