スムーズに融資を受けるためのコツ
続いては、スムーズに融資を受けるためのコツを解説していく。
信頼できる事業計画書を作成する
融資の審査で重要なポイントが事業計画書だ。金融機関は事業計画書を参考に、今後も安定的に利益を出せるか、返済が滞るリスクがないかといった点を審査する。
事業計画書を作成する際は、市場調査や競合他社との比較結果などを示し、数字に根拠を持たせることが大切だ。事業概要や採用計画、設備投資計画、マーケティング戦略なども記載すると、より信ぴょう性が増すだろう。
事業計画書の作成を税理士などに任せきりにしていると、金融機関から見抜かれて評価が下がる可能性があるため、専門家のサポートを受けながら経営者自身がしっかり事業計画を立てる姿勢が大切だ。
日頃から信頼を積み重ねておくことも大事
金融機関と日頃から信頼関係を構築しておくと、いざというときの融資をスムーズにしてもらえる可能性がある。資金繰りが悪化して融資が必要なときだけ連絡すると、「困ったときだけ泣きついてくる」という印象を抱かれてしまうだろう。
自社の情報を小まめに伝えたり、定期預金の預入や投資信託の購入などで担当者の目標達成に協力したり、無理のない範囲でうまく付き合うことが大切だ。また、書類の提出期限を守る、記載漏れがないようにするなど、当たり前の気遣いも大切にしたい。
さらに、融資の選択肢を広げるため、複数の金融機関と関係を作っておくことも大切だ。
融資を受けるときに準備が必要な資料
融資を受けるときの必要書類は金融機関や融資の種類、事業形態によって異なるが、一般的には次のような資料が必要とされている。
・会社案内
・事業計画書
・決算書
・試算表
・資金繰り表
・登記簿謄本
・本人確認書類
・印鑑証明書
・納税証明書
融資を受けるときの注意点
融資を受けるときは、返済までの見通しを立てることが大切だ。返済計画に基づいて、金利や返済期間も検討する必要がある。
返済計画を立てるときは、資金繰り表を作成しておくと役に立つ。資金繰り表は企業の資金の出入りをひと目で確認できる表のことで、融資を受ける際に提出する書類としても活用できる。
資金繰り表があれば、資金繰りの悪化に気づきやすくなるとともに、悪化した際に数値的な根拠を示しながら融資額や返済期間を決められるだろう。
融資以外の資金繰り悪化への対策方法
資金繰りが悪化した際、資金調達の選択肢として最初に融資をイメージする経営者は多いが、ほかの選択肢も知っておくことが望ましい。
まず検討したいのが、補助金や助成金だ。申請に要件があり、手続きに時間はかかるものの、融資と違って返済義務がないのがメリットだ。
資産を売却するという方法もある。保養所や遊休地など、事業に必要不可欠ではない資産があるならば、売却すると素早く資金を調達できる。
また、インターネットを通じて広く投資家から資金を集める「クラウドファンディング」で資金を集める方法も注目されている。手軽に利用でき、活用次第では企業の認知度向上にもつながるというメリットがある。
資金調達にはさまざまな選択肢があることを知り、どの方法が適しているか柔軟に検討するようにしたい。