株価指数といえば、日本では日経平均株価やTOPIXが有名だ。米株式市場ではダウ平均、S&P500、ナスダックが主要3指数と呼ばれている。これらの代表的な株価指数は全体の値動きを把握するのに役立つが、株価指数は他にもまだまだある。

本記事では一般的にはあまり知られていない「マイナー指数」にも着目して、それぞれの特徴や見方を解説する。

代表的な株価指数

投資チャンス拡大の可能性も ? 知っていると役立つ「マイナー指数」
(画像=Wrangler / stock.adobe.com)

そもそも株価指数とは、複数の銘柄を抽出してその株価に一定の計算式を適用し、着目している銘柄群の値動きをわかりやすく示すための指標のことだ。

日経平均、TOPIX

日経平均株価は東京証券取引所のプライム市場に上場している銘柄のうちの225銘柄から構成され、日本を代表する株価指数の一つだ。

もう一つの代表的な株価指数がTOPIX (東証株価指数) で、構成銘柄は2022年4月に東証の市場区分が再編されるまでは、旧市場区分の第1部に上場している全銘柄が対象だった。

市場区分の再編に伴いTOPIXの構成銘柄も見直される予定だが、2025年1月末までは移行期間とされており、再編前にTOPIXを構成していた銘柄は基本的に継続採用されている。移行期間終了後の銘柄については、市場関係者から意見を聴取した上で選定される見込みだ。

日経平均は株価が高い銘柄の影響を受けやすく、TOPIXは時価総額が大きい銘柄の影響を受けやすいと考えられる。TOPIXの方がカバーしている銘柄が日経平均より多く、日本の株式市場全体を反映しやすいといわれている。

ダウ平均、ナスダック、S&P500

米国の主要3指数については、単にダウ平均というときはダウ工業株30種平均を指す場合が多い。この30銘柄はニューヨーク証券取引所 (NYSE) やナスダックに上場している優良銘柄から選ばれ、世界で最も知られている株価指数の一つだ。

ナスダックはNYSEに次いで時価総額が大きい取引所で、約3,000社が上場している。全銘柄から算出されたナスダック総合指数はダウ平均と並ぶ主要な株価指数で、ハイテク株比率が高いのも特徴だ。

S&P500はNYSEやナスダックに上場している500銘柄で構成され、この500銘柄で米国株式市場の時価総額の約80%を占める。イメージとしては日本のTOPIXに近く、S&P500の動きに連動するように運用されている投資信託も多い。

マイナーな株価指数

続いて本題のマイナー指数について解説する。マイナー指数に定義はないが、本記事ではSOX指数、DJCI指数、セクター別指数を紹介する。

SOX指数

1つ目のSOX指数はフィラデルフィア半導体指数とも呼ばれるものだ。英語では「 PHLX Semiconductor Sector Index 」と表記する。米国の NASDAQ OMX PHLX (旧フィラデルフィア証券取引所) が公表している株価指数で、米国の主要な半導体関連30銘柄で構成される。インテル、エヌビディア、ザイリンクスなどが有名だ。

半導体関連銘柄の株価が上昇すればSOX指数も上昇するわけだが、ここから何が読み取れるかというと、世の中の景気動向だ。

かつては「鉄」が「産業のコメ」と呼ばれたが、今では半導体が「産業のコメ」と称される。スマートフォンやパソコンといった身近な家電製品から車に至るまで、半導体は多くのものに利用され、半導体の調達が経済の生命線ともいわれるほどだ。

SOX指数の動向は日本の半導体関連銘柄にも影響し、「SOX指数下落で半導体関連連れ安」「SOX指数上昇で半導体関連続伸」といった報道もみられる。SOX指数が大きく動いたときは日本の関連銘柄も反応しやすい。

DJCI指数

DJCI指数はDow Jones Commodity Index (ダウ・ジョーンズ・コモディティ・インデックス) の略称で、コモディティは「商品」を意味する。

通常、コモディティというときは原油などのエネルギー、金やプラチナといった貴金属、トウモロコシや大豆などの穀物等を指し、こういったコモディティは商品先物市場で取引されている。

DJCI指数は主にエネルギー、農業・畜産、金属の3セクターで構成され、商品先物市場を幅広く測定する指数と考えられている。

DJCI指数は物価動向を探る上で重要な指数だといえる。2023年3月22日時点の水準は、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して急騰した水準よりは低いものの、新型コロナウイルスが感染拡大する以前の水準よりは高く、インフレが長期化するとの見方の一因となっている。

セクター別指数

その他、セクターごとに分類されている指数に着目する方法もある。

例えば、米国を代表する株価指数であるナスダックに関していうと、ナスダックの中でも保険、通信、銀行といった具合にセクターごとの指数が算出、公表されている。

こういったセクター別の指数に着目して上昇しているセクターを狙い、出遅れている割安な銘柄を探してみるというのも一つの方法だ。

マイナー指数着目で投資チャンス拡大の可能性も

株価の動向を探る上で代表的な指数に着目することは重要だが、より多くの指数に目を配ることで投資チャンスを拡大できる可能性がある。これを機に、今までは注視していなかったマイナー指数たちに目を向けてみてはいかがだろうか。

(提供:大和ネクスト銀行


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