この記事は2023年11月24日にSBI証券で公開された「「つなぎ売り」活用も!?~「日株戦略特選」12月の株主優待銘柄」を一部編集し、転載したものです。
「つなぎ売り」活用も!?~「日株戦略特選」12月の株主優待銘柄
日本の株式市場が堅調さを取り戻してきました。日経平均株価は11/20(月)に一時33年ぶりの高値水準を回復してきました。米国でインフレ懸念が後退して同国長期金利が低下傾向になったこと、企業業績が全体としては堅調なこと等が要因です。物色的には、米金利低下傾向を追い風にグロース銘柄の方が相対的に買われやすい展開のようです。
こうした中、東京株式市場は来週(11/27~12/2)から、いよいよ師走(12月)相場を迎えます。相場が堅調さを取り戻しただけに「年末ラリー」への期待が高まる所です。ただ、12月は株主優待や配当の権利が確定する銘柄が比較的多い月でもあります。そこで、今回の「日本株投資戦略」では「12月株主優待」銘柄にスポットを当てることとしました。12月末に株主優待の権利が確定する会社数は177社あり、3月末に確定する会社数(783社)、9月末に確定する会社数(387社)に次ぎ、3番目に多くなっています。株主優待に強く関心をもつ投資家であれば、12月はある程度、重要な月であると考えられます。スクリーニング条件は以下の通りです。
(1)東証上場銘柄
(2)12月に株主優待の権利確定を予定する銘柄
(3)11/21(火)までの20営業日で、1日当たり平均出来高が2万株超
(4)株主優待の権利を確定するのに必要な最低投資金額が20万円未満
(5)直近四半期(累計)の営業利益、および純利益が1億円以上
(6)継続企業の前提に疑義が生じていない
(7)信用取引規制が実施されていない(11/24時点)
(8)SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い上位50銘柄以内(11/22時点)
すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順に並べたものが下の図表です。
なお、「12月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが12/27(水)を権利付最終日としています。この場合、12/28(木)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。
また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。
それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。今回は、株主優待の権利確定に必要な最低金額を20万円(→スクリーニング条件に追加)としましたので、資金100万円でも、最低5銘柄以上投資可能ですから、ある程度の分散投資ができる計算です。
もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。
*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~
※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。
掲載銘柄の投資ポイント
以下、掲載銘柄の一部についてご紹介します。
ラウンドワン(4680)
ボウリング、アミューズメント、カラオケ、スポッチャの4部門を主軸に屋内型レジャー施設を運営。国内のみならず。米国にも48店舗出店中です(23.8時点)。
年4回の株主優待を実施しています(内容は同一)。6月、9月、12月、3月末の株主名簿に記載された株主が優待対象です。株数が増えるごとに、内容が拡充します。
100株以上300株未満
▷ 【500円割引券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
【健康ボウリング教室・レッスン優待券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
300株以上1,500株未満
▷ 【クラブ会員入会券】枚数:1枚 有効期間:約6か月
【500円割引券】枚数:3枚 有効期間:約6か月
【健康ボウリング教室・レッスン優待券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
1,500株以上3,000株未満
▷ 【シルバー会員入会券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
【500円割引券】 枚数:5枚 有効期間:約6か月
【健康ボウリング教室・レッスン優待券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
3,000株以上6,000株未満
▷ 【ゴールド会員入会券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
【500円割引券】 枚数:8枚 有効期間:約6か月
【健康ボウリング教室・レッスン優待券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
6,000株以上
▷ 【プラチナ会員入会券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
【500円割引券】 枚数:10枚 有効期間:約6か月
【健康ボウリング教室・レッスン優待券】 枚数:1枚 有効期間:約6か月
健康ボウリングレッスンは、靴代やゲーム代込みで1名につき1,000円で参加できるという内容で、1枚で4名まで利用できます。クラブ会員は年間費300円(1年有効)がかかるものが無料になります。入会日当日から全店で利用可能なクーポンや、アプリ会員の場合翌日から使用できるプレミアムクーポンが付与されます。同社運営施設をご利用される方にとって、とてもお得感が強い内容といえそうです。
OATアグリオ(4979)
農薬・肥料メーカーです。世界の食糧増産に貢献できる製品の開発販売を行っています。水耕栽培肥料では国内シェアNo.1です。近年では米国、欧州を中心とし海外展開を加速しています。
株主優待の基準日は年1回、12月末のみです。100株以上保有で、「2,500円相当の家庭用園芸用肥料と美咲(切り花ながもち液)4本セット」が貰えます。さらに、継続保有期間に応じてクオカードが追加されます。
1年以上3年未満 ▷ 1,000円のクオカード
3年以上 ▷ 3,000円のクオカード
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。