毎年、新たに発売されるビジネス書は約6,000冊といわれています。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。

このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で注目されているおすすめの書籍をランキング形式でご紹介。さらにその中からアクセスの多かったトップ3の書籍について本文で詳しく見ていきます。

まずは2023年12月にビジネスパーソンから最も読まれた10冊の書籍の発表です!

1位:『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(安達裕哉/日本実業出版社)
2位:『心療内科医が教える本当の休み方』(鈴木裕介/アスコム)
3位:『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(中野信子/サンマーク出版)
4位:『お金の不安がなくなる小さな習慣』(有川真由美/毎日新聞出版)
5位:『コミュニケーションの問題地図』(沢渡あまね/技術評論社)
6位:『付加価値仕事術』(田尻望/日経BP)
7位:『瞬考』(山川隆義/かんき出版)
8位:『人生をガラリと変える「帰宅後ルーティン」』(リュ・ハンビン、小笠原藤子 (訳)/文響社)
9位:『できるリーダーは「教えない」』(伊庭正康/大和書房)
10位:『食欲人』(デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーヴン・J・シンプソン、櫻井祐子(訳)/サンマーク出版)

※本の要約サービス「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2023年11月25日〜2023年12月24日の閲覧数ランキング

仕事ができる人は、年齢を言い訳にしない

今年も毎日疲れてバタンキューから抜け出すための「本当の休み方」を学ぼう! 2023年12月に読まれたビジネス書トップ3
(画像=YakobchukOlena/stock.adobe.com)

2023年12月、「仕事ができる人」たちの思考・行動の理由をわかりやすく学ぶことのできる『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』です。

著者の安達裕哉氏は、デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に新卒入社後、大阪支社長と東京支社長を歴任したのちに独立した人物。これまで実に3,000社以上の経営者と対峙してきたという経験をもとにまとめた前著『頭のいい人が話す前に考えていること』は、2023年を代表するベストセラーに! 近著でも、著者がコンサルタントとして出会ってきたさまざまな「仕事ができる人」をじっくり観察し、そこから得た学びを惜しみなく読者に共有してくれています。

「若いときに頑張らないと取り返しがつかない」ーー。この言葉を聞いたことがあり、同意している人も少なくないでしょう。しかし、著者がかつてやり取りをした「50歳以上かつ、人生を変えたいという人だけ」採用している会社の社長いわく、「人生を変えるのは、誰でも、いつでもできる」のだとか。

そのポイントは6つ。1つ目は、人生を変えるのは、一発逆転の出来事ではなく、些細な日常の習慣であること。2つ目は、その習慣が意識せずにできるようになったら、次の新しい習慣に挑戦すること。3つ目は、設定した習慣が続かなければきっぱりやめて、次の習慣を設定すること。「続かなかった」というのも、今後に生きる貴重なデータだから。4つ目は、決して他人のせいにしないこと。自分の人生は自分で決めるという覚悟が大切になるーー。

残り2つはぜひ本書を読んでみてください。きっと人生を少し変えることのできる、勇気の一歩をもらえるはずです。

仕事ができる人が見えないところで必ずしていること
仕事ができる人が見えないところで必ずしていること
安達裕哉
出版社:日本実業出版社
発売日:2023年11月01日
ジャンル:スキルアップ・キャリア

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あなたは本当にきちんと「休めて」いますか?

第2位は、『心療内科医が教える本当の休み方』。休みの日にはひたすら眠ったり、ゆっくり過ごしているのに疲れがとれない。仕事でエネルギーを使い果たしてしまう。そうした読者に内科医・心療内科医として専門家の観点から、自律神経に関する最新の論文や学説を根拠に「本当の意味で心や身体を癒やすことができる休み方」を教えてくれる1冊です。

「休むこと」がいかに高等技術であるか、理解されていないことが私たちの悩みの原因の一つにあると著者はいいます。うまく「休む」には、「休みが必要な状態だと自覚」し、「休むことができる環境を確保」し、「自分の状態にとって適切な休養活動を選択する」というプロセスが必要なのだとか。「なんとなく」「ただひたすら寝る」ことでは本当の回復にはつながらないのです。

たとえば、仕事や私生活でストレスにさらされているとします。その負荷に抵抗するために人体では、アドレナリンなどの「抗ストレスホルモン」が放出されます。このホルモンは、血圧や血糖値を上げることで身体を「戦闘モード」にし、パフォーマンスを高めます。しかしその一方で、身体にダメージは蓄積され続け、概ね3カ月続く「ドーパミン状態」がとけたとき、一気に疲労感や頭痛、腹痛、不眠といった身体症状が襲ってくるのだとか。

自律神経の3つのモードを味方にする「休み方」の選択方法、意図的に自分を助けて回復へと導く「コーピング」や、心身のレジリエンスを取り戻すための「BASIC Ph」という考え方など。ぜひ一つずつためして、「本当の休み方」を取り入れてみましょう。

心療内科医が教える本当の休み方
心療内科医が教える本当の休み方
鈴木裕介
出版社:アスコム
発売日:2023年09月13日
ジャンル:サイエンス・健康・フィットネス

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本当に運が良い人は、科学的に運を引き寄せている!

第3位は、脳科学者の中野信子さんの著書『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』です。

「運は100%自分次第」と訴える著者。本書では「運のいい人」を脳科学的に解き明かし、「運のいい人」になるための考え方や行動習慣を教えてくれます。その一例が、「自分は運がいい」と思い込むという方法。もちろんその思い込みで現実が全て変わるわけではありませんが、「脳科学的に運をよくする効果がある」のだとか。

たとえば、仕事でうまく売り上げがとれなかったとき。運がいいと思っている人は、「運がいいのに売り上げにつなげられなかった。準備が足りなかったのかもしれない」と考えます。一方で運が悪いと思っている人は、「きちんと準備や努力をしたのに…、運が悪かったからだ」と考えがちです。つまり、運がいいと思っている人は次への努力につなげ、運が悪いと思っている人は、ただ運のせいにして終わってしまうのです。次回、売り上げに繋がる契約をとる可能性が高いのはどちらでしょう。その答えは明らかなはずです。

他にも、運のいい人から運を手に入れられる、「利他行動」が人の運を大きく左右する理由など。スピリチュアル的な印象もある「運をよくする方法」は、実は科学的な根拠があるのだと驚きと共に納得しながら本書を読み進められるはずです。

新年をきっかけに、脳科学をベースにした驚くほどシンプルな自分を「運のいい人」に変えていく方法にトライしてみてはどうでしょう。

新版 科学がつきとめた「運のいい人」
新版 科学がつきとめた「運のいい人」
中野信子
出版社:サンマーク出版
発売日:2023年09月10日
ジャンル:自己啓発・マインド・サイエンス

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いかがでしたか?

ランキングの上位を見てみると、新年に向けて、仕事や休み方、人生へなどに向き合い学び治そうとする読者の傾向がみえる結果となりました。どの書籍も、決して難しい内容ではなく、明日から毎日を変えられるヒントがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。

少しでもあなたに合いそうな1冊があればお手にとっていただければ幸いです。

来月はどういった書籍が読まれるのでしょうか。ぜひ皆様も予想してみてください。

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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