人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「経済混乱も人民元安定。トランプ氏は対中関税60%を示唆」人民元見通し

(通貨4位、株価最下位)

予想レンジ 人民元/円20.3-20.8

(ポイント)
*弱い景気、弱い株価でもドルに連動して安定推移する人民元
*政府は数々の株価対策を講じている
*本日は1月消費者・生産者物価の発表
*格付見通しをネガティブにしているムーディーズの動きも気になる
*米国との経済協議は続いている
*トランプ氏は対中関税を60%以上にすると発言
*IMFの成長見通しは弱い
*人民元円年足、4年連続陽線
*日本のバブル崩壊と似てきた(前车之覆,后车之鉴)
*株価(上海総合指数、香港ハンセン)は弱い。
*23年通年の成長率は5.2%
*デフレ圧力続く
*イタリアが「一帯一路」から離脱
*1兆元の国債発行し景気対策へ
*米の経済制裁は続く

(ドルに連れて強い人民元)
 思うように進まない中国景気回復や弱い物価動向、弱い株価指数に比べ人民元はドルを主としたバスケット制を採用しているため、2024年も上位で安定推移している。
年初来ドルは12通貨中で首位だが、人民元も4位と強い。

(本日、消費者物価発表)
 本日、1月消費者物価(CPI)と生産者物価(PPI)発表。CPIの予想は0.5%低下、前月は0.3%低下。PPIの予想は2.6%低下、前月は2.7%。依然、ディスインフレが続いている。
弱い物価指標は中国の広範な内需低迷を浮き彫りにしており、当局はデフレマインドが定着する可能性を引き続き警戒している。人民銀行は経済を下支えし、物価上昇を促すためにマクロ経済政策の調整を強化すると表明している。

(IMF、24年の中国成長率4.6%と予測)
IMFは2024年の中国の経済成長率が4.6%に鈍化するとの見通しを示した。2023年は5.2%。
中期的にはさらに低下し、2028年に約3.5%になると予測した。IMFは中国経済が不動産セクターと外需の低迷で打撃を受けていると指摘した。

(現在の格付けは)
中国の現在の格付けはS&PがA+、見通し安定的、ムーディーズがA1、見通しネガティブ。ムーディーズは中期的な経済成長率の低下や不動産部門の縮小が課題としている。
日本も同格付だが、ムーディーズの見通しは安定的。

(習近平国家主席も乗り出した株価対策)
習近平国家主席が金融規制当局と株式市場について協議する予定だと報じられた。
中国証券監督管理委員会を中心とする規制当局は、市場の状況や最新の政策構想について指導部に報告する方針という。
政府系ファンドが市場支援措置を強化したほか、証券監督当局が悪質な空売りを取り締まると表明。
中国証券監督管理委員会(証監会)は、空売り規制強化の一環として、株券転貸を抑制すると発表した。
また、買い入れと同じ日に株式を売却する投資家への貸し株を禁止し、空売りを利用した違法な裁定取引を取り締まるとも表明した。
(中国の規制では、株式を購入した当日に売却することはできないが、借株を利用してルールを回避する投資家もいる)

中国証券監督管理委員会(証監会)は、機関投資家に株式投資拡大を要請するとともに、上場企業に自社株買い強化を促す方針を表明した。

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン中位

日足、ボリバン2σ上限から反落も中位あたりで推移。雲の上は維持。
2月2日-7日の上昇ラインを下抜くか。1月2日-2月2日の上昇ラインがサポート。2月6日-7日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
 週足、ボリバン2σ下限から反発も上限には届かず。1月15日週-29日週の上昇ラインがサポート。11月27日週-1月22日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
 月足、1月は大陽線で12月の大陰線を取り戻す。2月もボリバン2σ上位でスタート。7月-1月の上昇ラインがサポート。11月-1月の下降ラインが上値抵抗。
 年足、4年連続陽線。ただ23年は22年の高値を上抜けず。22年-23年の上昇ラインがサポート。

人民元見通し
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チーファンラマ

中国の不満は。トランプ氏は60%課税を示唆

米中が行っている経済協議について、中国財政省当局者は2月6日、中国側は米国の関税、投資制限、中国企業を「抑圧」するための制裁について懸念を表明したと明らかにした。
また新華社通信は、中国の何立峰副首相が米国のジェイ・シャンボー財務次官(国際問題担当)と6日に北京で会談したと報じた。何氏は、両国の経済関係の安定と発展に向け交流と協力を深めるよう呼びかけたという。

(トランプ前米大統領は、自身がホワイトハウスに返り咲いた場合、中国からの輸入品には60%を超える関税を課す可能性があると述べている)

情報提供元:FX湘南投資グループ
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