クロスオーバーからスタートした新生「クラウン」。そのラインナップに待望のセダンが追加されました。2023年11月に発売開始となった「クラウン(セダン)」のエクステリアデザインの内容を解説します。文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK

正統派セダンを再定義するコンセプト

クラウンセダン顔
(画像=「Car Me」より引用)

トヨタの代表車種のひとつとなる「クラウン」。国産車の先駆けとなり、昭和から平成にかけて高い人気を誇ったセダンでした。しかし、セダン市場の縮小やニーズの多様化などに対応するため、最も新しい世代は、クロスオーバーやSUVなど、複数の車型を採用することとなりました。最初に登場したのは「クラウン(クロスオーバー)」だったのです。

しかし、複数の車型を用意することで、セダンは逆に正統派を、しっかりと狙うことができたのではないでしょうか。

新型「クラウン(セダン)」の開発にあたって設定されたコンセプトは「ニューフォーマルセダン」というものでした。“快適な乗り心地”、“上質な走り”、“ショーファーニーズ”を満たし、パーソナルにもビジネスのニーズにも応えます。「正統派セダンとはこれだ!」とでもいう、セダンと言う存在を再定義することを狙うようなコンセプトです。

水平基調の伸びやかなプロポーション

クラウンセダン2
(画像=「Car Me」より引用)

新型「クラウン(セダン)」の開発にあたり、トヨタのデザイナーは「オーソドックスなセダンは作りたくない」と考えたそうです。その結果、FRプラットフォームを生かした、水平基調で伸びやかなプロポーションとなりました。新型「クラウン(セダン)」は、エンジンを縦に配置して後輪を駆動するFRプラットフォームが採用されているのです。他の「クラウン」の車型は、みなFFプラットフォームであり、FRプラットフォームは「クラウン(セダン)」の独自の個性となります。

水平基調を実現するために、リヤフェンダー周りにある燃料パイプの経路を見直し、窓の下側と後輪ホイールハウスの間の距離を詰めています。これにより、フロントのフェンダーからリヤの端まで、まっすぐのベルトラインが実現しています。

先代モデルゆずりの6ウインドウを採用したことで、まるでファストバックのようなフォルムになっているのも特徴でしょう。古典的な3ボックス(エンジン+キャビン+トランク)ではない、新しい時代のセダン像を提案しています。

精悍かつ威厳に満ちたフロント周り

クラウンセダン3
(画像=「Car Me」より引用)

フロント周りのデザインで印象的なのがランプグリルです。ランプは極端なまでに薄型化されており、「プリウス」と同様のハンマーヘッド・デザインが採用されています。非常に精悍な印象を与えます。

組み合わされるグリルは、王道の縦基調。グリルには精緻な模様が施されており、威厳や風格と言ったものを感じさせてくれます。

リヤ周りは、ワイド感を強調するような横一文字のテールランプ。これもフロント同様に非常に薄型になっています。

幅広いニーズに対応する6つのボディカラー

クラウンセダン4
(画像=「Car Me」より引用)

ボディカラーは6色を用意。プレシャスホワイトパール、プレシャスブラックパール、プレシャスシルバーは、フォーマルな印象を与えます。ビジネス・ユースにお勧めのカラーとなります。一方、プレシャスメタル、プレシャスブロンズ、マッシブグレーの3色は、よりパーソナルな印象となっています。

ブラックパッケージの内

クラウンセダン5
(画像=「Car Me」より引用)

ボディカラーを、より精悍に仕立てるのがブラックパッケージです。

ブラックスパッタリング塗装の20インチホイールと、漆黒メッキ加飾をほどこしたパーツ類(ヘッドランプモール/ロアグリルモール/フェンダーガーニッシュ/ベルトモール/リヤバンパーモール)を組み合わせることで、鋭く精悍な印象が生まれます。

19インチを標準とするホイール&タイヤ

クラウンセダン6
(画像=「Car Me」より引用)

標準仕様となるホイール&タイヤは、235/55R19タイヤに19×8Jアルミホイール(ハイパークロームメタリック塗装)。精緻な加工をほどこされた端正なデザインのホイールです。

パッケージオプションのブラックパッケージには、タービンスポーク・デザインを採用した20×81/2Jアルミホイール(ブラックスパッタリング塗装)と245/45ZR20タイヤが用意されています。

クラウンセダン7
(画像=「Car Me」より引用)

「ニューフォーマルセダン」というコンセプトを掲げる新型「クラウン(セダン)」。新しい時代の正統派セダンの姿を提案しています。風格と威厳を持ちながらも、モダンさも併せ持つのが特徴と言えるでしょう。