この記事は2024年4月30日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=garpinina/stock.adobe.com)

2024年4月30日(火)の午前11時半に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は昨日29日(月)、とうとう160円台をつけた。さすがに160円台に乗れば介入が入るのは当然だが、当初は155円でも入るのではないかと思っていたが、入らなかったので、ターゲットが変わったのかと思っていた。

158円付近のストップから上を159.00円、159.50円、160.00円と一気につけてしまったので、マーケットのショートがかなり減ったということがまず一つ。そして、昨日29日(月)の安値は155円を割っているため、介入で5円以上下げた形となった。

今回は時間を稼いだということだと思うが、またこのまましばらく介入が入らないままだとみんな押しを買ってくると思うので、徐々に戻ってきてしまうのではないかと思っている。当局は158円を再度見せてはいけないので、それまでには介入が入ってくると見ている。158円を見せてしまうと160円が近いので昨日29日(月)に介入したことの意味が無くなってしまうからだ。

出来ることなら本来は、本日30日(火)にでも154円辺りまで下げるのが理想的。そうすれば買い向かうのが怖くなり、かつ155円のところにステルス介入の指値を入れ、何度買っても邦銀が売っているという状態にして、当局から邦銀に青天井で売りオーダーを置くように言われたらいくらでも売るので、そうなるとそのレートを超せなくなるからだ。

そうしてターゲットを下げていくやり方が当局としては効果的だろう。買ってくる人達が嫌気がさすようなことをやらないと米ドル/円はおそらく下がらない。ただ本邦輸入企業の買い遅れなどもあるため、しっかり買わせるというのも、今回の介入には、大きな意味合いとしてあったのではないだろうか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、153.00~158.00円。予想上値の158.00円はおそらく届かないとは思うが、このレベルまで戻せば介入が入る可能性が高い。

ただし予想下値に関しても日米の金利差からくる買いがあるので、簡単に140円台まで下がることはないと考えている。戦略としては戻り売りで、慎重かつこまめな売り回転で臨みたい。

▽米ドル/円の日足チャート

240430kobayashiS
(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。